山尾志桜里 幹事長撤回の理由は「9歳下弁護士との禁断愛」

 

保育園落ちた 離党届 記事 山尾氏、地元入り 出馬表明

 

山尾氏勝たせた女性の「現実」

 

「山尾志桜里氏が語る」

 

 

衆院選で当選を決め、くす玉がわりに大きな風船を割り、中に入っていた小さな風船に囲まれる山尾志桜里氏=2017年10月23日午前1ごろ、愛知県長久手市

 

【特集】平成29年回顧 話題の人の「独白録」

なぜ私は選挙に勝てたか/山尾志桜里

 

 

 

 

 

 

山尾氏は9月3日朝、ホテルを出た後、衆院愛媛3区補選の選挙応援に向かったが、とんぼ返りで帰京し、再び倉持氏と合流。倉持氏の車で、自宅まで送られたという

 

 

「2016ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンに「保育園落ちた日本死ね」が選ばれ、表彰式であいさつする山尾志桜里衆議院議員=2016年12月1日

 

 

山尾氏の夫は東大の同級生

 

お相手は東京MX「モーニングクロス」コメンテーター 倉持麟太郎弁護士

 

前原誠司新代表率いる民進党で幹事長に一度は内定したものの、9月5日の両院議員総会当日、一転無役となった山尾志桜里衆院議員(43)。前代未聞の人事撤回の背景には、「週刊文春」9月7日発売号に掲載される山尾氏の「禁断愛」の記事があるという(動画)。

 9月2日、幹事長に内定した夜、山尾氏は都内の高級ホテルにひとり姿を見せた。白いシャツにデニムパンツというラフな格好で現れ、チェックイン。それから約20分後、黒いキャリーケースを引いたイケメン男性がホテルのエントランスに姿を見せた。この男性はテレビのコメンテーターなどでも知られる弁護士の倉持麟太郎氏(34)だ。赤ワインやビールを買い込んだ彼は、彼女が待つ36階のダブルルームへと消えて行った。

 2人がチェックアウトしたのは翌日早朝のことだった。

 「9月3日、週刊文春から取材をうけた後、山尾氏は前原氏から事情聴取を受けた。山尾氏は『そのようなことはありません』と頑なに否定したそうです。一度は代表代行に据える方針に決まりかけましたが、結局、前原氏はスキャンダルから守り切れないと判断。山尾氏の執行部入りを断念しました。両院総会にヒラ議員として出席した山尾氏は明らかに不満げな様子でした」(民進党関係者)

 「週刊文春」取材班は、9月1日の代表選の最中を含め、2人の密会を週4回確認している。山尾氏の事務所は文書で次のように回答した。「(倉持氏との男女関係について)そのような事実は一切ございません。仕事上の関係です」。

「週刊文春」9月7日発売号では、デートの様子、2人への直撃取材を写真つきで詳報している(文春デジタル)。

 

 

6日放送のフジテレビ系「直撃LIVEグッディ!」(月〜金曜・後1時45分)で7日発売の「週刊文春」で報じられる民進党の山尾志桜里元政調会長(43)のダブル不倫疑惑について特集した。

 番組によると、山尾氏は同じ年の夫と6歳の子供がいるが、「週刊文春」に9歳下の妻子ある倉持麟太郎弁護士とのダブル不倫が報じられるという。スタジオで山尾氏は今月2日に前原誠司代表(55)から打診を受けた幹事長に内定した。ところが、その夜に男性とホテルに入るところを撮影されたという。さらに週刊文春が3日夜に前原代表を取材したため、幹事長人事が撤回され、5日の両院議員総会で大島敦元総務副大臣(60)が幹事長に就任したと見通した。

 こうした経緯を安藤優子キャスター(58)は「幹事長という重大なポストがひっくり返るぐらいの何かがあった」とした上で幹事長人事が内定した夜にホテルへ行ったことに「打診されたんだとすれば、その日に行く!?」と報道が事実だとすれば、山尾氏の行動に驚きを見せていた(2017年9月6日配信『スポーツ報知』)。

 

山尾氏との不倫現場を撮られたとされる倉持麟太郎弁護士は5日、取材に対し、山尾氏との不倫疑惑について「事実ではありません」と否定した。

 

両院議員総会を終え、退出する山尾志桜里元政調会長(中央)=5日

 

民進党の前原誠司代表は9月7日、「本人から話を聴きたい」と東京都内で記者団に述べた。10月の衆院3補欠選挙への影響を避けるため、山尾氏の離党は避けられないとの見方が党内で広がっている。議員辞職を求める声も出ている。

 

連合への就任あいさつ後取材に応じる民進党の前原誠司代表(左端)=7日午前

 

山尾志桜里の“お相手弁護士”は「婚約不履行事件」を起こしていた

 

「週刊文春」9月7日発売号で明らかになった山尾志桜里衆院議員(43)の“禁断愛”。お相手のイケメン弁護士、倉持麟太郎氏(34)による婚約不履行事件が明らかになった。

 学生時代から倉持氏を知る人物が語る。

「若い頃から彼の女癖の悪さは有名でした。かつて倉持氏には結婚を約束したAさんという女性がいた。交際期間は3年を超えていました」

 2012年に弁護士登録した倉持氏だが、彼の下積み時代を支えていたのが婚約者のAさんだった。

 「お金がない彼のためにお弁当を作ってあげたり、旅行の費用を出してあげていたと聞きました。弁護士事務所開設の際には、その準備のため彼女が奔走していました。その頃までには、お互いの両親に挨拶も済ませており、2人は結婚を前提に同棲生活をしていました」

 だが2015年、倉持氏は突然の心変わりを見せたという。

「仕事が忙しいといっては、倉持氏は同棲中の自宅にあまり帰ってこなくなったのです。結局、彼から別れを切り出し、婚約は破談。実は、倉持氏は航空会社勤務の客室乗務員と浮気をしており、子供まで作っていたのです。その女性と結婚するため、彼は婚約者のAさんを捨てたのです」

 Aさんの母親は本誌の取材に「そういう事はありました」と婚約不履行の事実を認めた。倉持氏にも取材を申し込んだが、回答はなかった。

 「週刊文春」9月14日発売号では、倉持氏による「婚約不履行事件」に加え、山尾氏と倉持氏がホテルに宿泊したことを示す“新証拠”の存在などを詳報している。

 

 

山尾志桜里元政調会長離党届

 

民進党の山尾志桜里元政調会長(43)=衆院愛知7区=は9月7日夜、同日発売の週刊文春で既婚男性との不倫疑惑が報じられたことを受け、大島敦幹事長に離党届を提出した。山尾氏は議員辞職する意向を漏らしていたが、前原誠司代表が大島敦幹事長らと対応を協議し、10月の衆院補欠選挙が同区を加えた4選挙区になることを警戒、離党にとどめるべきだと判断した。

「党再生のため結束を誓い合った仲間の思いに水を差す形になってしまった」。黒のジャケット姿で会見場に現れた山尾氏は、疲れた表情を浮かべ、涙ぐみながら震える声で用意した、A4用紙3枚の文書をときおり声を詰まらせながら約6分かけて読み上げた。コメントを読み終えると、質問を受け付けず、足早に会場を後にした。

関係を指摘された男性弁護士について「ブレーンとして政策の立案作業や質問、スピーチ、原稿などの作成作業をお手伝い頂いた」と釈明。報道内容に関しては「ホテルには私1人で宿泊した」と全面否定した。

「山尾幹事長」撤回に続く党の混乱に党内は動揺。ベテラン議員は「火に水ではなく、ガソリンをまいている」と嘆いた。代表選で前原誠司代表を支持した議員も「自民党も政府も駄目だが、野党も駄目だと思われる」と危機感をあらわにした

大島氏も別途会見し、離党届の扱いについて、早ければ8日の常任幹事会で決める考えを示した。不倫疑惑の真偽に関しては「(党は)確認していない」と語った。

週刊誌報道を受け、前原、大島両氏は7日午前から断続的に協議。執行部の一部は山尾氏に議員辞職を促したが、山尾氏は応じなかった。

山尾氏は検事出身で、衆院愛知7区選出で当選2回。既婚で子どもがいる。2016年3月に民進党が結成された際、当時の岡田克也代表に政調会長に抜てきされた。国会では待機児童問題をめぐって安倍晋三首相を厳しく追及してきた。

会見で山尾氏は「男女の関係はありません」と否定したものの、報道陣からの質問を拒否して明確な根拠を示さず、疑惑は解けなかった。

山尾氏には、実業家の夫と6歳の男児がおり、倉持氏にも妻子がいる。

一方、山尾氏との不倫疑惑が浮上した倉持氏は、中央大法科大学院修了後、12年に弁護士登録。安保法制をめぐり15年7月、衆院特別委員会の会合で参考人として意見を述べたほか、テレビ出演も多い。倉持氏にも妻子がいる。

 

民進党は8日午前、国会内で常任幹事会を開き、山尾氏の離党届を受理し、10月に予定される衆院3補欠選挙を見据え、早期の幕引きを図った。

同党の小川淳也役員室長は常任幹事会後、「(山尾氏が)事実関係を認めていないのに(離党届を)受理するのはおかしい」「この場で即断すべきではない」と、(受理することに)慎重な意見もある一方で、「混乱を国会論戦の場に持ち込むことは党に迷惑をかける」として離党届を提出した山尾氏の意向を「重く受け止めるべきだ」との意見も多く、受理を決めた」と説明した。

前原氏は、「秀な議員と思っていただけに、(離党は)極めて残念だが、議員の出処進退は自ら決めるもの。私自身も含めて話を聞き、最終的には山尾氏本人が(離党を)判断した。決断を尊重したい」と語った。

また、山尾氏が事実関係を否定する中で離党を認めたことに関しては「本人しか分からないことがある。旧民主党、民進党で議席をおかれて活動してきた方々が党を離れるのは極めて重い判断だ」と述べた。

 

民進党の山尾志桜里・元政調会長(43)=衆院愛知7区=が9月7日夜、記者団の前で読み上げた文書全文

 

  

 

 

離党届を出したことを報道陣に話す民進党の山尾志桜里・元政調会長=7日午後8時40ごろ

 

「男女の関係はありません」

 

 本日発売の週刊誌報道に端を発し、国民の皆様、愛知7区地元有権者の皆様、ともに闘ってきた同士でもある子育てに奮闘するお母さんをはじめ応援いただいてきた皆様、同僚議員、自治体議員、民進党の党員・サポーターの皆様に、大変なご迷惑をおかけする事態になってしまいました。

 本当に申し訳ありません。

 今回の事態を受けて、本日離党届を幹事長に提出してまいりました。

 この週刊誌に記載のある倉持麟太郎弁護士には、憲法問題や共謀罪、雇用問題など極めて幅広い政策分野において、政策ブレーンとして、具体的な政策の立案・起案作業や質問・スピーチ・原稿などの作成作業をお手伝いいただいてきました。こうした政策立案や質問作成などの打ち合わせと具体的な作業のため、倉持弁護士とは頻繁にコミュニケーションをとってまいりましたし、こうした打ち合わせや作業は、二人の場合もそれ以上の複数人である場合もありました。打ち合わせ場所については、双方の事務所や会食の席上である場合が相当多数回ありますが、同弁護士のご自宅の場合もありました。

 また、本件記事記載のホテルについては、私一人で宿泊をいたしました。

 倉持弁護士と男女の関係はありません。

 しかし、誤解を生じさせるような行動で様々な方々にご迷惑をおかけしたこと、深く反省しおわび申し上げます。

 そのうえで、このたび、民進党を離れる決断をいたしました。

 まずは、冒頭に記載しましたとおり、国民の皆様、地元有権者の皆様、支援者の皆様、民進党同僚議員、自治体議員、党員・サポーターの皆様に改めておわびを申し上げます。

 また、とりわけ前原・民進党新代表には、新しい執行部を立ち上げるタイミングで、多大なご迷惑をおかけすることになったこと、先日の党大会で、党再生のために結束を誓いあった仲間の皆様の思いに、水を差す形になってしまったことに、心からおわび申し上げます。

 私は、民主党・民進党に育てられ、職責を果たすためのたくさんのチャンスをいただき、落選中を含めて支え続けていただきました。私自身、約10年前に政治の世界に挑戦を決めたときから現在にいたるまで、この国に必要な二大政党制の一翼を担う使命を負っているのは民主党・民進党であると確信し、離党を考えたことはこれまで一度もありません。感謝の気持ちで一杯であるのと同じだけ、苦しく、悲しい思いがあふれます。

 民進党が掲げてきた理念、取り組んできた政策への思いは今も変わりません。

 しかし、まもなく始まる臨時国会、国会論戦の場に、今回の混乱を持ち込むことは、民進党、そしてご支援いただいた皆様にさらなるご迷惑をおかけすることになると判断し、離党する決断をいたしました。

 

平成29年9月7日 衆議院議員 山尾志桜里

 

 

交際相手とされた倉持麟太郎弁護士のコメント全文

 

 「男女関係なかった」

 

 民進党に離党届を出した山尾志桜里衆院議員との不倫疑惑報道をめぐり、交際相手とされた倉持麟太郎弁護士は7日夜、「男女関係はなかった」などとするコメントを発表した。全文は以下の通り。

 本日発売の週刊誌報道に際し、依頼者の皆様、顧問先会社の皆様、日頃より若輩の私をご指導いただいております皆様をはじめ、多くの方々に多大なご迷惑をおかけして誠に申し訳ございませんでした。

 私は、本件記事に記載の山尾志桜里議員に対して、予算委員会、法務委員会等各種委員会及び憲法審査会等において、憲法問題を中心に共謀罪(改正組織犯罪処罰法)、雇用・労働問題等々で、極めて幅広い政策分野において、政策ブレーンとして具体的な政策の立案・起案作業及び質問や法案等作成作業をかなり詳細にサポートさせていただいておりました。

 上記政策立案及び質問作成等の打ち合わせ及び作業のため、日常的に山尾志桜里議員と頻繁なコミュニケーション及び連携をしており、当該作業や打ち合わせは山尾志桜里議員と1対1の場合も、他の外部有識者を加えた複数名のものもございました。

 場所は、私の事務所や山尾志桜里議員の会館事務所その他会食を交えながら等という形態が常態的であり、私の自宅で作業や打ち合わせを行う場合もありました。これらの作業や打ち合わせは、深夜に及ぶこともございました。

 山尾志桜里議員との間に男女関係はありませんが、結果的に誤解を生じさせるような状況があったことについて、深く反省しております。

 あわせて、本件で多大なる迷惑をかけた妻、子及び家族に対して心からの謝罪をしたいと思っております。

 最後に、私の行動で、皆様に誤解を生じさせましたこと及び様々な場面でご指導ご支援いただいてきた皆様にご迷惑をおかけし、失望させましたことを、深く反省しお詫び申し上げます。これから、失った信頼を取り戻すべく、今まで以上に全力で取り組ませていただきます。 

    

平成29年9月7日 倉持 麟太郎

 

山尾氏、地元入り 出馬表明 議員向け説明会は出席者ゼロで中止

 

  

地元後援会への説明に訪れた元民進党の山尾志桜里議員(右)=22日午後2時30分頃、愛知県尾張旭市

 

 民進党を離党した山尾志桜里衆院議員(43)=愛知7区=が9月22日、表明後初めて地元入りし、支援者向け会合で、週刊誌で報道された既婚男性との交際問題について謝罪したうえで、「10年間育ててもらった恩は必ず返す。挑戦をさせてください」と述べ、次期衆院選で同区から無所属で出馬すると表明した。

 山尾氏が離党後に公の場に姿を現すのは初めて。

 山尾氏は22日午後2時半ごろ、愛知県尾張旭市の市営施設に到着。紺のブレザーに白いスカートとブラウス姿で、車から降りると一礼。「地元の方々におわびと感謝と決意の気持ちを伝えたい」と報道陣に話したあと、支持者らが集まる会場に向かった。

 山尾氏は、「みなさんに政治家の土台をつくってもらった矢先、その積み上げを(不倫報道で)大きく傷つけた。本当に申し訳ない。ごめんなさい」と、目を潤ませながら謝罪した。

 その上で、「政治家として、ゼロからやり直したい。私という政治家に、(活動開始から)10年の『通信簿』をつけてほしい」と支援を呼び掛けた。

 出席した約50人は拍手を送り、「頑張れ」の声も出た。一方で「残念だ」との声も聞かれた。

この日は別に午後1時から愛知7区内に約10人いる民進党地方議員への説明会も予定していたが、こちらは出席が一人もなく、取りやめになった

 

 

 

 

 

山尾志桜里氏 顧問に弁護士倉持氏

 

衆院議員の山尾志桜里氏(43)=愛知7区=の事務所の政策顧問に、週刊誌などで関係が報道された弁護士の倉持麟太郎氏(34)が近く就任することが6日分かった。改憲を目指す安倍晋三政権に対抗する上で、憲法や安全保障問題で政策の方向性が一致する倉持氏との連携が不可欠として決断した。

 山尾氏は立憲民主党の衆院会派に所属し、衆院憲法審査会では同会派委員として改憲論議を率いる見通し。

 山尾氏は民進党政調会長に就任した2016年3月から、天皇陛下の退位問題や「共謀罪法」審議などで倉持氏から助言を受けてきた。倉持氏との関係が報じられたことし9月に民進党を離党、総選挙では無所属候補として3選を果たした。

 安倍首相が20年の新憲法施行の方針を示す中、神奈川新聞社の取材に「改憲論議に真っ向から向き合って首相案をはねのけるためには、今後も倉持氏からサポートを受ける必要があると判断した」と述べた。

 検察官出身の山尾氏は09年衆院選で初当選、12年に落選したものの14年に再選した。法律論や憲法論の素養があるとして、衆院法務委員会理事や憲法審査会委員などを歴任。15年には安全保障法制の審議で政権を追及、17年には「共謀罪法」に反対の論陣を張った。また16年には匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」を取り上げ、安倍首相に待機児童問題に取り組むよう迫った。

 

時代の正体;;改憲論議に先手打つ 山尾志桜里氏が語る(下)

 

憲法を守らぬ為政者が改憲に前のめりになる姿に直面し、衆院議員の山尾志桜里氏(43)は法律家としての矜持(きょうじ)を持って阻止に動く考えだ。「立憲主義という国家の基礎が破壊されようとしている」。この危機的状況にどう向き合うか。改憲・護憲の従来型二項対立から脱却し、より立憲的な憲法を目指し、野党こそが先手を打つべきだと訴える。

 安倍晋三首相による憲法改正提案とは「改憲」自体が自己目的化し、変えやすいところのつまみ食いを繰り返して出てきたものにすぎない。そんな改憲提案には付き合いたくもないが、これをきっちりはねのけるためには、立憲主義への深い理解に基づいた憲法改正の方向性を示す必要がある。

 これまでの改憲論議は、「一文字でも変えたい改憲派」と、「一文字も変えさせない護憲派」による二項対立の構図にからめとられてきた。

 だがもうこうした不毛な構図からはいい加減脱却すべきだ。私は現代において「現憲法は、権力を縛るという憲法たる役割を十分に果たせているのか」と社会に問いたい。

 安倍政権はこれまで積み上げてきた憲法解釈を破壊し、憲法が果たしてきた「権力を縛る」という立憲主義の「留め金」を外した。その最たるものが2015年に強行採決した安全保障関連法制だ。

 これには布石があった。安倍首相は内閣法制局の人事に手を突っ込んだのだ。首相と離れた立場から法案の合憲性を判断する役割を内閣法制局は果たしてきた。法制局長官人事に首相は手を入れないという不文律によって実質的な独立性が担保され、この独立性によって法案審査の中立性は保たれてきた。

 ところが第2次安倍政権はこの人事を掌握することで、法案の事前合憲性審査の仕組みを根底から破壊したのだ。そして許されざる解釈改憲を駆使し「違憲」の安保法制を数の力で成立させた。

 ではこの「留め金」をかけ直すためにはどうすればいいか。内閣では機能し得ないことを安倍政権が証明した。そうであるなら司法、つまり「憲法裁判所」を設置してはどうか。それには改憲を議論する必要がある。これは「留め金」をかけ直すことの一例だ。

 9月に安倍首相が仕掛けた「大義なき解散」も同じ構図にある。これまでの政権は、なんだかんだ言っても一定の建前、つまり「大義」を見繕ってきた。だが今回安倍首相が掲げた理由は「大義」とは到底考えられない代物だった。

子育て支援の財源配分が争点だと言ったそばから消費増税のさらなる延期に言及してみたり、北朝鮮への対応が国難だと言いながら、その重要な期間に1カ月もの空白を作り出したりした。「大義」などもはやいらない、という傲慢(ごうまん)をも恥じない権力の暴走をみた。

 ここまで憲法を踏みにじる政権が現れた以上「解散権の制限」も改憲事項として検討していいはずだ。つまり立憲主義的発想から導かれる「7条解散の制限」だ。

危うい自衛隊明記

 そしてやはり本丸は「9条」だろう。安倍首相の提案は「『自衛隊』を明記するだけ」というものだが、「明記するだけだからこそ危険」と断言しておきたい。むき出しの「自衛隊」が正当化される。この「正当化」はコントロールと表裏一体でなければならない。

 仮に自衛隊を書き込むのであれば、きちっと歯止めとなる条文が必要となる。例えば国会によるコントロール。政治家による自衛隊の統制をどう規定するのか。また、内閣との関係も問題になる。そもそも憲法は軍事的実力組織を持たないことを前提としている。

 だから憲法上の内閣の権能には「外交関係の処理」という記述はあっても自衛権を指揮する条文はない。読み取れるとすれば「一般行政事務」に該当するのかもしれないが、命を懸けてこの国を守る実力組織の運用が「一般行政事務」という記述で足りるとは到底考えられないだろう。

 司法との関係も問題だ。自民党はこれまで「軍法会議」(軍事裁判所)が必要だと言ってきた。私は必ずしも裁判官と異なる主体によって裁くべきだと考えてはいないが、実際に現状の司法でどう規律していくのかは問題になる。

 もう一つは「財政」。自衛隊を明記するのであれば、防衛費について一定の上限を憲法に明記する必要があるかもしれない。

 だが、こうしたまともな憲法論議は安倍首相が言及した「2020年の施行」などと期限を区切っては進められない。ともすれば肥大化する軍事的実力組織を、どう国民の意思の下でコントロールしていくのか、という極めて重大な論点だ。

 政府・与党は「自衛隊を明記するだけ」などと言っていないで、安保法制を前提とした憲法改正案を堂々と提案するのが筋だ。

立憲主義の本質は

 こうしてあるべき改憲論議について俯瞰(ふかん)してみると、改めて「憲法」とは一体何なのかということをもう一度見詰め直す必要がある。つまり私たちの国家が採用している「立憲主義」の本質とは何なのか。

 国家権力を抑制し、立法、行政、司法の三権を均衡させ、国民の人権を保障していくというのが憲法の要諦だ。70年という年月を経てグレーゾーンが肥大化し憲法が本来発揮すべき権力抑制の役割が薄められていないか。権力均衡の面からみても、安倍首相の下で強大化していく「内閣」をいかに縛っていくのか。

 「個人の尊厳」もそうだ。「個人」が尊重されない社会の風潮、物言えぬ空気が社会を満たし始めていないか。

 「共謀罪法」が施行された社会において、個人の尊厳の核心である思想良心の自由やプライバシー、表現の自由、集会の自由といった基本的人権の価値が十分に保障されているか確認し直す必要がある。

 国民と国家が共有してきた憲法に関する解釈、不文律、慣習を破壊する安倍政権が登場した今だからこそ、強大化する内閣に歯止めをかける権力均衡や人権保障というリベラルな価値を守るための憲法改正が必要になっている。

 こうしたまっとうな議論は野党こそがリードすべきであり、そのためには与党に先行して野党が土俵を作ることが必須条件となる。

良識を味方に付け

 直近では野党主導で政策を前に進めることができたのが待機児童問題と、天皇の生前退位問題だった。

 私が待機児童問題を国会で取り上げた際に安倍首相は不意打ちを食らったかのようだったが、世論の反響もあって政策の流れが変わった。天皇の生前退位については政府側の有識者会議が報告書をまとめる前に、民進党が論点整理を仕上げたことで議論を主導することができた。

 数の力で負けている状況下では、その力を超える良識をいかに早い段階で味方に付けることができるかが極めて重要になる。

 憲法論議はこれまで常に安倍政権が先行してきた。それは一方で、自己目的化した改憲というみっともなさの露呈でもあった。だが選挙を経て自民党、公明党だけで3分の2の議席を占める現状では、もはや改憲発議は避けられないと考えた方がいい。

 安倍政権の憲法に対する姿勢は極めて軽佻浮薄(けいちょうふはく)であり、到底まともな議論などできはしないが、そう言っているだけでは押し切られる可能性が極めて高い。

 では軽佻浮薄ではない正統な憲法論議、立憲的改憲のありようとは何なのか。与党に先行し、論点を網羅する形で示すことが重要になってくる。

 勝負は年内だと思っている。

 

時代の正体;感じた切実な「子育て支援」 山尾志桜里氏が語る(中)(2017年11月8日配信『神奈川新聞』)

 

安倍晋三政権に再び立ち向かうと意を決した衆院議員の山尾志桜里氏(43)は、「多くの人が抱える悩みや苦しみを社会化するのが私に託された使命」と心する。総選挙で直面したのは、熾烈(しれつ)なバッシングでも、おわびを強いる世論でもなく、「逆風に負けないでくれ」「子育て支援策や待機児童対策を前に進めてほしい」という市民の切実な声だった。

 週刊誌やワイドショーによる報道で批判にさらされたが、選挙戦が始まり地元に帰って私が見たものは、そうしたむき出しの好奇心などではまるでなかった。

 手を握り締める女性は、こらえきれぬ涙を浮かべ、「負けないでほしい」と言った。

 私にとって4度目の選挙だったが、これだけ多くの女性や子どもの手を引いた父母と出会えたのは初めてだった。それも特に若い世代。最も政治から遠い存在とされる有権者たちだ。熱意のこもった本気の応援をもらった。

ベランダからの声

 「ゴシップなどどうでもいい。待機児童問題をなんとかしてくれ」「来年4月に入る保育園がまだ決まっていない」「この地域に産婦人科がないんだ」「3人目の子を持てるかどうかの瀬戸際なんです」−。

 私が現場で直面したのは、とにかく今すぐ解決してほしいという有権者の切羽詰まった訴えだった。

 私は今回の選挙で落選したら政治家を辞めるつもりだった。だから「公」の政治家として自らの主義、主張を明確にして闘った。そうであれば勝っても負けても納得ができると思ったから。

 だからいわゆる選挙の常識にも立ち向かおうと思った。

 選挙の常識とは例えば「子育て世代は票にならない」「新興住宅地は票にならない」というものだ。むしろ私は子育て世代にこそ訴えたかった。だからほぼすべての時間を、その世代が住むエリアを回ることに充てた。

 新興住宅地のマンション前では、ベランダに向けて呼び掛けた。子を抱いた父、母がベランダに出てきてくれる。ひとしきり話を終え、「もし時間があったら、下に降りてきてほしい。私も街宣車から降りる」と呼び掛けると、過去の選挙戦とは比べものにならないほどの人が手を握りに来てくれて、思いの丈を語ってくれた。

 耳を傾けると、直面している悩みがあふれ出た。みんな日々の生活の中で、抱えきれないつらい思いをしていた。仕事に追い詰められていて苦しい、仕事に戻りたいけど子どもを預けるところがない、本当はもう少し子どもの成長と時間を共にしたいが0歳から預けないと保育園に入れない…。

 あまりに切なかった。若い世代の生活の苦しさ、しんどさに私が直面した瞬間だった。それは、働く女性が社会から受ける圧力の裏返しでもあった。

 常に、「子どもは誰がみているんだ」「もう帰るのか」というまなざしにさらされ、本来感じる必要のない自責の念を抱かせられる。

 ゴシップにさらされる私の身に起きた社会からの圧力に、女性たちは自分の身を重ね合わせ、「負けないでほしい」「頑張ってもらいたい」という言葉になったのだろう。

 これは私の選挙区だからそうした有権者が多かったわけではない。当選し国会に戻り、私を訪ねて来てくれる人がいる。コピー機の営業の女性が涙を浮かべ「当選してくれてありがとう」と口にする。働く女性が社会から受ける圧力に男性は気付かないので、その圧力をはねのけてほしいという思いを寄せてくれたのだ。

 だから私は屈するわけにはいかない。えたいの知れない社会なるものの好奇心や圧力と闘わないのは政治家として取るべき、働く女性として取るべき姿勢ではない。

「つらさ」の社会化

 私は2期目の時、話題になった匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」を引用しながら待機児童問題を国会で取り上げた。私にも子どもがいる。「同性だから」「苦労が分かってもらえるから」話せるという理由で、訴えてくれる女性がいる。

  声を上げた母親らと私が共にしてきたのは、互いの苦労に細かく分け入り共感し合うということではなく、それぞれの役割分担の中で「多くの人が抱いている悩みを一般化し、社会化する」ということだった。

 私の役割分担はつまり政治家として国会の場で行う質問の準備に十分な時間をかけ、それを政府にぶつけ、答弁を引き出し、社会の関心を引き寄せ、それをテコに政治を動かしていく、ということだった。

 あくまでも自分の特性を生かした職人としてどう政府から答えを引き出すか、ということが重要だという思いでやってきた。今回このことを深く自問自答し、そして気付いた。

 「人生を政治家として全うしようなどということには全く興味がない」

 今回の当選で負託されたこの「3期目」を全うすることに全精力を傾ける。地元の有権者との交流はあくまでその声を国政に反映させるためであり、4期目や次の選挙のためなどと一切考えないことにした。

不信感拭うために

 この3期目の課題は三つ。その一つが「子育て支援」だ。質の向上、そして財源も含めて必ずやり遂げる。

 就学前教育の無償化はやるべきだと思っている。高等教育(大学)の学費負担も大幅に軽減すべきだ。

 このためには年間5兆円前後が必要になる。したがって教育無償化を掲げながら消費増税を否定するというのはあまりにも矛盾している。

 この消費増税には四つの前提条件がある。一つはアベノミクスによって余裕が生まれた個人と法人の負担増。二つ目は第2次安倍政権以降、民主党政権時と比べて年1兆円規模で増加している公共工事の削減。三つ目は3党(民主党、自民党、公明党)合意における「税と社会保障の一体改革」でまとめた「増税分の8割を借金の返済に充てる」ことの見直しだ。財源はサービスの充実に向けなければいけない。

 その上で四つ目が要になる。「増税」よりサービス充実を先行実施したい。例えば保育の無償化をまず先行させる。1〜2年実施し、その上で増税し財源を確保する。多くの人にまず「これいいね」と実感してもらうことが重要だ。

 いま「増税しても約束した使い道に使われない」という政治への不信感が根強い。実際、政府はこれまでうそをつき続けてきた。サービス充実を先行させれば、増税による税収増分はそこに充当しなければサービスを継続できなくなる。こうして信頼を回復した上で負担増をお願いする形にする。まずは10%への引き上げだ。その先の議論は信頼が回復されてからだろう。

 ただ、これらの政策を実現するには財源が必要になる。ところがこれまで「増税が必要だ」と言っていた政治家たちが一斉に「増税凍結」に回った。

 こうした背信が、どれだけ国民を裏切り、不信感を募らせているか。

 私は民進党の政調会長だった昨年、消費増税先送り法案を自らの名前で出している。その責任を感じている。

 増税を巡って、政治家の言葉が試されている。時の政治状況による逃げ道を許すことはもうやめよう。そうしてこそ初めて現実を踏まえた子育て支援策を導き出すことができるはずだ。

 

むき出しの好奇心「屈しない」 山尾志桜里氏が語る(上)(2017年11月7日配信『神奈川新聞』)

 

 週刊誌やテレビのワイドショーから熾烈(しれつ)なメディアスクラム(集団的過熱取材)を受けた衆院議員、山尾志桜里氏(43)は孤高の境地に立っていた。「安倍晋三政権と対峙(たいじ)するために必要なサポートを全て使う」。焦眉の急である「憲法改正」と待機児童問題を主戦場と見定め、過熱報道された弁護士、倉持(くらもち)麟太郎(りんたろう)氏(34)からもあらためて政策顧問としてサポートを受ける。女性政治家ゆえにプライバシーに土足で踏み込まれる風潮に真っ向から抗(あらが)うことに、もう迷いはない。「むき出しの好奇心になど屈しない」

 週刊誌報道から2カ月がたった。この間に私は離党し無所属となり、そして出馬し戦った。その過程で相当な葛藤があった。「公私にラインを引く」というスタイルが、どこまで社会的に認められるのか。

 悩み抜いた末の結論は、公の政治家としての私は、政策や政治哲学、姿勢についてはできる限り率直に答えるが、一方で「私」の部分に一定のラインを引くことに変わりはないということだった。

 直後の記者会見などで私は「男女の関係はない」と答えたが、そうしたことを答える必要さえなかったと今は思う。

働く女性への視線

 選挙後、国会に向かう通勤中の路上で、週刊誌の記者を名乗る男からいきなり、「家の前から後をつけてきました」と声をかけられた。レコーダーを突き付けられてこう問われた。

 「男女の関係はあったのですか」「本当に関係はなかったのですか」。さらに「離婚はしたのですか」−。

 数多くの一般の人々が行き交う衆人環視の下、大きな声でしつこく繰り返し問われた。私はこれまで通り電車で通勤している。普通に考えてみてもらいたい。歩いていて、突然レコーダーを突き付けられ、そんな私的なことを問われる異常さを。

 いったい何の目的で、何の情報を、誰に提供しようと考え、私にそうしたことを問うているのか。

 つまりは「むき出しの好奇心を満たせ」「まだ満たされていないのだ。だから満たせ」と繰り返しているわけだ。

 私へのその問いは、どのようにして社会の役に立つのだろうか。政治家としての私を評価する上で、一体何の判断基準になるというのか。

私は10年前に検事を辞めて政治家になり初めて女性政治家ならではの不条理に直面した。「いまお子さんを誰が見ていますか」「家でお料理しているところを撮らせてください」「子どもと一緒にいるところを取材させてください」

 働く女性は子育てや家庭にどう関わっているかを問われ続けている。女性政治家はさらに、それを見える形で世に示せと迫られる。取材者たちはおそらく良かれと思って聞いているのかもしれない。「大変でしょう」という共感。いたわりの気持ちを込めているのかもしれない。

 私は、「ミルク代を稼がなければならないので」などと笑って切り返したり、「いまは母が、夫が見ています」などと答える。場の雰囲気を慎重に感じ取り、それに合った回答をしてきた。

 家事や育児を巡って本来なら気にする必要のないはずの自責の念を常に感じることを求められ、しかもそれを対外的にどう表現するのかを問われ続けるというプレッシャー。

 子どもがいる男性議員は取材者から再三そんなことを聞かれているのだろうか。その懐疑から私はよほどの必要のない限り家族の話を外に出さないできた。家の中にカメラを入れたことはない。公の政治家としての仕事ぶりで評価を得たいと思い、意図的に「家庭」と、「政治家・山尾志桜里」を切り離しここまでやってきた。

倒錯するメディア

 世界各国の男女平等の度合いを示すランキングで日本が三つ順位を落とした。調査対象144カ国のうち114位。世界経済フォーラム(WEF)が2日発表した2017年版の「ジェンダー・ギャップ指数」だ。下落した大きな要因は政治分野への女性の進出が遅れているためだという。

 日本ではとりわけ女性政治家が社会の好奇の目にさらされる。そのプレッシャーはすさまじいもので、あらためてそのことを今回当事者となり実感した。

 そうした圧力に対し、その都度、自分の信念を曲げて屈していたら、政治家を志す女性は今後増えるはずがない。だから私は政治の世界は公私を分け、政治家としての努力と実力のみで評価されるべきだと問いたい。

 一方で、今回の総選挙ではこれまでの主義主張をねじ曲げた候補者が少なからずいた。ゴシップ報道には熱を上げる取材者たちはしかし、その理由をしつこくただしたか。

 私は選挙後に立憲民主党の会派に加わったが、立憲民主党は「消費増税」の凍結を打ち出している。選挙戦で「消費増税は避けられない」という立場を明確にしつつ「憲法観や安全保障観など政策全般では立憲民主党と方向性は同じだ」と訴えた。

 私に問うべきは男女関係の有無などという下品な質問ではなく、主要政策の方向性は同じでありながら増税についてのスタンスが異なるように見える理由や詳細な説明ではなかったのか。

  「禊(みそ)ぎ」という言葉にも強い違和感があった。選挙に勝ったからといって「禊ぎ」が済むことなどないと私は思っている。今回報道された私の不注意な行動については、選挙に勝とうが負けようが、私がどこまでも背負っていく。ただそれだけの話だ。

 多くの取材者は「個」であるはずだ。しかし私への取材で記者たちは少なからず枕ことばでこう言った。

 「私は聞きたくはないのですが…」「ここにいる全員が知りたいと思うので質問します」

 あるいはマイクを切った後でこう言った。

 「こんなことを聞いて申し訳ありませんでした」「本当はこんなこと、どうでもいいことだと分かっています」「上司に聞いてこいと言われて…」

 みんな人のせいにする。

 そうじゃないだろう。一人のプロの職業人として「こんな質問すべきだろうか」と胸に手を当てて考えてもらいたい。

総力で改憲に対峙

 これから国会では憲法改正が極めて重要な焦点となる。

 これまで私は報道で取りざたされた倉持氏とともに「共謀罪法」や天皇の皇位継承問題などについて取り組んできた。政策ブレーンとして協議を重ね国会での質問を準備し、論点を整理してきた。

  今回の当選で私に負託されたのは、待機児童問題と憲法問題に取り組むことだと心している。

 戦後政治の中で重大な局面を迎える今後1〜2年は政治家にとって正念場だ。いま私の頭の中にあるのはこれから始まる「3期目」のことだけだ。そうした中で得られるサポートは全て受けようと考えている。

 私は山尾事務所の政策顧問として倉持氏のサポートを引き続き受けるつもりだ。同氏も応じている。政策立案の共同作業には継続性が欠かせない。これまで私が取り組んできた政治課題、哲学、価値観というものを倉持氏とは共有している。この2カ月間、私一人では政策立案が停滞し支障が出ていることからも、サポートを受け続ける必要があると判断した。

 私は3期目の仕事を全うする。憲法問題はその中核を占める。改憲に対峙する上で必要なサポートを全て受け、安倍政権に立ち向かうつもりだ。

 

 

山尾議員「ワイドショー取材受ける」ダブル不倫疑惑の倉持氏と(2017年12月11日配信『スポーツニッポン』)

 

討論に出席した(左から)、山尾志桜里衆議院議員、小林よしのり氏、司会者、倉持弁護士 

 9月に「週刊文春」でダブル不倫疑惑が報じられた山尾志桜里衆院議員(43)と倉持麟太郎弁護士(34)が10日、都内で行われた討論イベント「ゴー宣道場」にそろって出席した。
 漫画家小林よしのり氏(64)が定期的に主催するもので、今回のテーマは「憲法改正の作法を教えよう」。不倫疑惑について「男女の関係はない」と主張していた山尾氏は“潔白”をアピールするかのように胸を張り席に着いた。
 山尾氏は10月の衆院選に愛知7区で無所属で立候補し、接戦を制して当選。その後、騒動の相手だった倉持氏を事務所の政策顧問として起用したことで物議を醸していた。
 11月に大阪で開かれた「ゴー宣道場」にも2人で出席していたが、山尾氏は「大阪ではしゃべればしゃべるほど声が出なくなった。それほどストレスを抱えていた。今日はしっかり声が出る」と笑顔。共演のパネリストから「憲法をどのように勉強すればいいか」と聞かれると「ワイドショーは見ない方がいい」と批判を受けてきたことを念頭に、ジョークで答え会場を沸かせた。一方で、憲法に関する情報発信には「柔らかいメディアも使う」と述べ「憲法の話をさせてくれるならワイドショーの取材も受ける」と新たなスタートを切る意欲も示した。「憲法について女性に考えてほしい」との思いから、女性誌「婦人公論」に倉持氏と2人で取材を受けたとも報告。これには場内から「かなり刺激的じゃないか」と驚きの声も飛んだ。
 《小林氏憲法改正に「国民運動が必要」》「代表師範」として登場した小林氏は「最短で来年4月に国会で憲法改正が発議され、6月に国民投票の実施が可能。もっと長い時間をかけて国民が知らなければいけないのに、残念ながら時間がない」と主張。「憲法を自分たちで作るための国民運動が必要だ。そうでなければ関心を失ってしまう」と指摘した。イベント終了後は、山尾氏について「いいこと言うだろう?凄いんだよあいつは」と絶賛していた。
 《倉持氏離婚報道に「お答えできない」》倉持氏は、イベントの「師範」の一人として登壇。山尾氏のコメントについて、補足するなど、壇上でも政策顧問としてアシストしていた。終了後、7日発売の「週刊文春」で妻と離婚すると報じられたことについて、記者から「事実か」と問われると「何もお答えできません」と答えた。

 

特集ワイド;山尾氏勝たせた女性の「現実」(2017年10月25日配信『毎日新聞』)

 

 意外な結果と言うべきなのか。既婚男性との交際疑惑が週刊誌に報じられたことで民進党を離党し、無所属で衆院選を戦った山尾志桜里さん(43)=愛知7区=が、834票差で自民前職との大激戦を制した。「逆風」の中、彼女を押し上げたものは何か。 

「声届けて!」私生活より切実さ

 「今からそちらにうかがいますから、よかったら待っててくださいね」

 衆院選中盤の15日午後、愛知県大府市内には時折冷たい雨が降った。選挙カーの上でマイクを握った山尾さんは、集まった数人の女性にこう呼び掛けた。

 演説が終わると、山尾さんは聴衆の元に駆け寄り、子どもを抱き上げた。母親には「共働きなの? 実家が近くにないと特に大変だよね」と切り出し、子育ての悩みを話題にした。

 山尾さんは2016年2月、国会で「保育園落ちた日本死ね!!!」と題した匿名ブログを取り上げ、待機児童問題の解消を安倍晋三首相に迫り、注目された。今年9月の民進党代表選後、当選2回の山尾さんを幹事長に抜てきする人事案が固まった。だが交際疑惑が報じられたことで山尾さんは党を離れた。

 無所属で臨んだ今回の選挙。連合などの組織票は見込めず、山尾さんは「どぶ板選挙」を貫いた。陣営幹部によると、街頭演説と聴衆との握手に多くの時間を割いた。「臆せず逃げ出さず、市民の元に飛び込んでいくことが鍵になると感じたのです」と山尾さん。地元でいくら汗をかいたとしても「交際疑惑」は女性に嫌悪感を抱かせかねない。実際、街頭演説では「帰れ」といったヤジはあった。また、街頭演説を聴いていた女性(38)は「彼女と握手もしましたよ。でも、投票するかどうかは分からない。不倫疑惑が問題になるのかは分かりませんが、不審な気持ちは拭えません」と冷ややかだった。ただ、選挙戦では、山尾さんを応援している女性が目立った。

 その背景には山尾陣営が女性の支持を固める戦略を取ったことがある。選挙前は、喫茶店や個人宅などに女性を集め、騒動をわびるとともに声に耳を傾けた。そして「子育てや女性問題を取り上げる議員は少ない。だから私を使ってほしい」と訴え続けたのだ。

 その姿勢に女性は一定の理解を示したのか。子連れで集会に参加した女性(44)は「安倍首相に待機児童の解消を訴える姿をテレビで見ましたが『その通り!』と思いました。男性議員は私たちの深刻さが分かっていない。子育てに悩む女性を手助けしてくれるのは山尾さん以外には浮かばなかった」と話す。

 女性団体が反発するかと思いきや、そうでもなかった。これまでの衆院選では表立って山尾さんを応援しなかった「女性首長を実現する会 愛知」は支援を表明した。その声明文には「(山尾さんは)私たちの望む男女平等政策の実現に向け尽力している貴重な代議士のひとりです」と記し、彼女の政治生命が奪われれば政治状況が後退、悪化しかねないと表明した。事務局長の栗原茜さんは「私たちは、個人的なスキャンダルと政治家の資質は別だと考えています。さらに週刊誌が出た後『女性たちががっかりしている』という趣旨の報道がありましたが、『それは違う』と示したかった」と説明する。交際疑惑は支援に無関係と判断したわけだ。

 ブログに「保育園落ちた」と書いた女性は今、山尾さんに対してどんな感情を抱いているのだろう。交際疑惑は「疑われる行動をしたのはうかつだった」と批判するが、「国が待機児童解消へ動き出すきっかけを作ってくれたと思っていますので、とても感謝しています」と実績は相変わらず認めている。

 安倍政権は「女性が輝く社会」を掲げているが、成果は見えていない。その現実を変えたいと行動する女性議員−−。山尾さんはその象徴なのだろうか。ブログの女性も「20年以上前から言われている待機児童問題は、国が本腰を入れていたら何年も前に解決できたのではないでしょうか。山尾さんには、これからも待機児童や女性にとって不利益な問題をバリバリ解決していってほしい」と期待する。

脱「男性社会」への意思表示?

 山尾さんの当選を「男は邪魔!」「日本男子♂余(あま)れるところ」などの著書があるノンフィクション作家の高橋秀実(ひでみね)さんはこう見ている。「有権者は、プライベートではなく冷静に仕事ぶりを評価したのではないでしょうか。法律に通じている彼女を立法者として選ぶのは当然だと思いますね。それが国会議員の本業なんですから」。有能な候補だからこそ、有権者の支持を集めたと分析する。

 高橋さんは「優秀な女性はいっぱいいます」とも言うのだが、国会議員の男女比はアンバランスだ。スイスに本部がある列国議会同盟の調べでは、衆議院の女性議員の割合は解散前9・3%で193カ国中165位、選挙後は10・1%になった。

 この数字が示すように国会は「男社会」にほかならない。高橋さんは「軍隊や体育会系の流れなのか男性が多い組織は、先例主義だし、やたら序列をつけたがる。その結果が日程調整で物事が決まる今の国会じゃないですか。そのほうが男性は楽なんですよ」と話す。そんな慣習を女性ならば変えていけるのではないかと指摘する。「有能な女性議員が増えていけば、なあなあでは済まないでしょう。『うるさい女』と陰口を言っている場合じゃなくなり、きちんと議論しなければいけません。いっそのこと、国会で『自由討議』を増やして論戦を繰り広げてほしい。安倍首相は『女性が輝く社会』などと言っていますが、見本としてまず国会で実現すべきです。女性議員が増え、活躍すれば無能な人はいなくなるはず。その方が有能な男性議員だって輝けるんじゃないでしょうか」

 上智大法学部教授の三浦まりさんも女性の視点を政治に生かすべきだと主張する一方で「壁」の存在を感じている。「女性議員が政策を作りたいと希望しても実行するには、ポストを握っていたり選挙支援をしてくれたりする、権力がある男性議員の支持を取り付けないといけません。圧倒的に男性が多い中では発想や行動が必要以上に男性的になってしまい、女性の感覚と乖離(かいり)する恐れがあります」と説明する。そうした中でも山尾さんは女性の声を積極的に取り上げようとしていたと評価する。「女性候補者が多く、選択肢がある状況ならば、プライベートが気に入らないとの理由で投票しなくてもいいかもしれない。でも、女性議員が少ない現状では、有権者はマイノリティーの意見をすくい上げられる女性が必要だと判断し、山尾さんに1票を投じたのでしょう」

 女性議員が少ない現実があるからこそ、スキャンダルがあったとしても山尾さんを「女性の代弁者」として支持した層は大崩れしなかったのだろう。

 山尾さんは投開票が行われた22日夜、事務所で「赤ちゃんを抱っこしたお母さん、子どもの手を引いたお父さん、これほど女性や子どもたちの手を握った選挙は初めて。その真剣なまなざしに応えたい」と支持者の前で誓った。深夜も続けられた開票状況をテレビで見守っていた三浦さんは「組織に頼れなくなった分、より女性の切実な声を実感したのではないかと思います。山尾さんには女性の訴えを取り上げることを自分の使命としてほしい。また、各政党には、女性の声をすくい上げれば、組織力に頼らなくてもこれだけの票になるんだと気づいてほしい」と話した。

 山尾さんは女性たちの期待にどう応えていくのだろうか。

 

 

山尾氏と不倫疑惑の弁護士 蓮舫氏国籍問題担当だった(女性セブン2017年9月28日号)

 

 下唇をかみ、一瞬悔しげな表情を浮かべた彼女は、一方的に言い分を述べると足早にその場を去った。舌鋒鋭く自民党を追い詰め、「民進党のジャンヌ・ダルク」と呼ばれた彼女に似つかわしくない、逃げ腰の謝罪会見だった。

 9月11日、『週刊文春』で不倫疑惑を報じられた山尾志桜里議員(43才)が民進党を離党した。彼女は週に4日、相手のマンションやホテルで逢瀬を重ねていた。その男性が、弁護士の倉持麟太郎氏(34才)だった。

「倉持さんは若くてイケメンなだけじゃないんです。憲法改正論議や安全保障問題をわかりやすく解説できる論客として注目されていて、いくつかの情報番組でコメンテーターも務めていました。いわば民進党の若きブレーン。山尾さんは彼に政策に関するアドバイスを仰ぐようになり、次第に“親密な仲”に発展したようです」(民進党関係者)

 実は山尾氏のほかにもう1人、倉持氏を頼りにする女性がいた。同じ民進党前代表の蓮舫議員(49才)だ。蓮舫氏が大きなピンチに陥った「二重国籍問題」で担当弁護士を務めていたのが倉持氏だった。

「蓮舫さんといえば、民主党時代からの“党の顔”。そこに急浮上してきたのが山尾さんでした。『保育園落ちた日本死ね!!!』の日記を国会で取り上げたことで一躍注目を浴び、政調会長に抜擢されました。2人は“党きっての美女”トップ2でもある。キャリアには差がありますが、昨今の政界は下克上が当たり前。ライバル同士が倉持さんを取り合う三角関係だったんです」(前出・民進党関係者)

 蓮舫氏は不倫報道に大きなショックを受けていたという。

「政治家には誰だって1つや2つ、隠しておきたいことがあるもの。でも、自分の担当弁護士だった倉持さんと山尾さんが男女関係にあったとしたら、国籍問題のほかにも“秘密の情報“が山尾さんにダダ漏れしていた可能性もある。永田町は狸の化かし合いですから、同僚議員といえども、弱みを握られるのは致命的なんです。しかも、もともとは蓮舫さんの方が倉持さんと親しくしていたはずです。女のプライドとしても“山尾さんに持っていかれたのか”とショックも倍増でしょうね」(政治ジャーナリスト)

 この問題の以前から、もともと山尾氏と蓮舫氏の間には溝があったという話もある。

「蓮舫さんの二重国籍問題のとき、山尾さんが陰で“あれはアウトよね”と言っていたのが蓮舫さんの耳に入ってしまったそうです。そもそも山尾さんは前原誠司さん(55才)のグループだから、蓮舫さんとウマが合うはずがない。倉持さんと親しかった蓮舫さんですから、ひょっとして山尾さんの“不倫”に気づいていたのかも…」(山尾氏の知人)

 かくして自分の地位を脅かす山尾氏は党を去っていった。不倫が報道された日、蓮舫氏はツイッターに次のように投稿した。

《とても綺麗な月夜ですね》

 ここ最近、不倫報道が相次いでいる。今井絵理子氏(33才)、斉藤由貴(51才)、上原多香子(34才)を含め7月末からの2か月間で山尾氏は4人目。

 日本性科学会が2011〜2012年に行った『中高年セクシュアリティ調査』によると、既婚女性の14%が「この1年の間に配偶者以外の異性との親密なつきあいがあった」と回答。2000年の調査の約3倍に急増した。『不倫女子のリアル』(小学館)の著者の沢木文(あや)さんが解説する。

「結婚後も専業主婦ではなくバリバリ働き、経済力がある女性が増えました。彼女らは“不倫がバレて夫に離婚を告げられても大丈夫”という余裕があるんです。また、映画や小説の題材になることが増えて、“不倫はやましいこと”というかつての意識が薄れているのではないでしょうか」

 

山尾志桜里議員の不倫疑惑に自民・石破氏「説明しないと誰も信じない」(2017年9月17日配信『スポーツ報知』)

 

 自民党の石破茂元幹事長(60)、民進党の前原誠司代表(55)がTBS系「時事放談」(日曜・前6時)に出演し、9歳下の弁護士との不倫疑惑で民進党を離党した山尾志桜里議員(43)について見解を示した。

 前原氏は山尾氏について「残念のひと言。能力があって、登用しようとした人がスキャンダルによって離党された。ただ、考えようによっては、幹事長に就ける前に判断ができて良かったと思ってます」と述べた。

 一方の石破氏は「前原代表は大変だなと、そういう思いはあります」とした上で「山尾さんがそういう事実はないとおっしゃるのであれば、会見できちんとお話しいただければいい」と指摘。報道陣の質問を一切受け付けず、会見を打ち切った山尾氏の対応を批判した。

 さらに、民進党が財務省理財局長から国税庁長官に就任した佐川宣寿氏が就任会見を開かないことを批判していたことを引き合いにし、「自分の問題になったら説明をしない。人の批判はするが、それが我が事に降りかかってきたら全く同じように対応をするっていうのは、一般の感覚からして、どうなんだろうとなるんだと思う」とも指摘した。

 その上で、今回の不倫疑惑は当事者じゃなければ分からないことで、会見で説明すべきと繰り返し強調。「政調会長までなさり、代表が幹事長にしょうと思った人で他の議員さんとは違う責任が国民に対してある」と述べ、「きちんと説明しないと、言われていることはないよ、と言っても誰も信じない」と厳しかった。

 

(寂聴 残された日々:27)山尾さん、孤独の出発に自信を 恋は理性の外、人生は続く(2017年9月14日配信『朝日新聞』)

 

 何気(なにげ)なくつけたテレビの画面いっぱいに、端正な美貌(びぼう)の女性が、涙のたまった両目をしっかりと見開き、正面を向いてしきりに言葉を発している。その表情がまれに見る美しさだったのと、しゃべる言葉がしっかりしているのに驚かされ、テレビから目が離せなくなってしまった。

 当時、民進党の山尾志桜里議員の正面を向いた顔が、ずっと映され、必死に涙をこらえた泣き顔の美しさに、思わずこちらも膝(ひざ)を正していた。はっきりした口調で語りつづける声や言葉は、乱れることなく、今にも崩れそうな表情より頼もしく、しっかりしていた。

 発売されたばかりの週刊文春に、9歳下の弁護士との交際を不倫と発表され、問題になっていた。両方の家庭に配偶者と子供がいた。

 週刊文春の記事は写真入りで、ほとんど連日逢(あ)い、男のマンションや、ホテルで、朝方まで過ごしたことが詳細に発表されていた。結局、その事件で党に混乱と迷惑をかけたので、その責任をとっておわびに離党するという意見だった。

 とにかく頭のいい人だという印象が強かった。ホテルに2人で入ったことがあったのも、男は1人帰り、泊まったのは自分1人で男女の関係はないと言いわけしていた。そんなことは神のみぞ知るで、誰も当人の言いわけなど信じる者はいない。

    *

 95歳の私が、今頃思いだしても噴飯ものだが、今から60年昔、私の35歳の時、東京・野方に下宿していて、ある日、野方の駅から電車で新宿まで出かけた。乗客の少ない電車の中で、座るなり目に入る天井からの吊(つ)り広告に目をやったら「ある奇妙な女流作家の生活と意見」という文字が目に飛びこんできた。

 ――誰のことだろう、気の毒に、何が書かれたのか――。私は好奇心を抱いて、新宿に電車が着くなり、売っている週刊誌の中から、名も通っていないその新しい週刊誌を買って、歩きながら開いてみた。いきなり、私の顔がページいっぱい大きく写されていたではないか。

 あきれて記事を読んでみると、会ったこともない見知らぬライターが私の小説の端々をつぎあわせ、勝手な妄想を加えて、不倫の生活だとこと細かく報じてあるのだった。相手の実名も書いてある。私はあきれかえり、すぐさま公衆電話で、その会社に電話をし、キイキイ声で編集長を呼びだし、一度のインタビューもなく、いい加減なことを書くなと、どなりつけた。

 相手はそんなことに慣れているらしく、インギン無礼に言葉をにごすだけで、結局どなりつづける私の方が疲れ切って、声も出なくなってしまった。その会社は半年もしないうちにつぶれてしまった。

 その気持ちのよかったこと!

    *

 不倫も恋の一種である。恋は理性の外のもので、突然、雷のように天から降ってくる。雷を避けることはできない。当たったものが宿命である。

 山尾さんはまだまだ若い。これからの人生をきっと新しく切り開いて見事な花を咲かせるだろう。それを95の私は、もう見られないのが残念。

 

山尾氏ツイッター炎上に漫画家・小林よしのり氏が徹底擁護「政治家の不倫に説明責任は不要」(2017年9月12日配信『夕刊フジ』)

 

まだまだ鎮火しそうにない まだまだ鎮火しそうにない

 「密会愛」を週刊文春に報じられて民進党を離党した山尾志桜里元政調会長(43)のツイッターが炎上している。記者会見で質問を一切受け付けず、「説明責任」を果たしていないことへの批判が高まっているようだ。一方、漫画家の小林よしのり氏(64)は10日、ネットの生放送で山尾氏を擁護、「離党させたのは一時的な流行に乗ってしまっただけ」と民進党を批判した。

 山尾氏は離党を表明した7日、ブログでも同様の釈明文を掲載し、ツイッターでも「本日の会見内容について更新しました」とブログを紹介した。このツイートに対するコメントは11日朝時点で3400件を超えている。

 コメントには「中傷に負けないで」など応援コメントもあるが、「山尾さんの言う説明責任ってあんなレベルなんですね」「謝るべき相手はもっと身近にいるのでは」「男女の関係ではないことを証明してください」など辛辣(しんらつ)なコメントが目立った。

 同様に不倫疑惑が報じられた自民党の今井絵理子参院議員が7月27日に更新した釈明文のツイートに付いたコメントは、今月11日朝までに3100件あまりだった。

 ネット上での山尾氏批判に真っ向から反論したのが、小林氏だ。同氏は「山尾志桜里を総理にする会代表」を名乗っていることで知られる。また、山尾氏の密会相手と報じられた倉持麟太郎弁護士(34)は小林氏が主宰する「ゴー宣道場」の「師範」を務めるなど、山尾、倉持両氏と親しい関係にある。

 小林氏は10日、動画サイト「ニコニコ生放送」で「山尾志桜里議員叩きは民主主義の破壊だ!」と題した緊急生放送を行い、山尾氏を離党させた民進党を批判した。

 「イメージ商売のタレントと違い、政治家の不倫に説明責任は必要ない」と持論を展開、「山尾氏は相当な能力がある政治家。こんな能力があってビジュアル的にもいい議員は大切にしなくちゃいけない」「民進党内のほかの男の議員は嫉妬している」と語った。

 不倫疑惑が報じられた今井議員や、議員辞職した宮崎謙介元議員との比較で「顔とイメージだけで当選してきた議員であり、(山尾氏は)格が違う」とも。生放送は約1時間40分に及んだが、小林氏は「もし(不倫が)本当なら、どちらにも家庭があるんだから絶対に嘘をつかなきゃいけない。嘘をつくことが誠実な人間だ」と話す場面もあった。

 

民進党の激震は続く 優柔不断の前原代表(2017年9月12日配信『日刊スポーツ』―「政界地獄耳」)

 

★民進党の激震はまだまだ続く様相で、新代表・前原誠司は多難な日々を送る。山尾問題を振り返ると、幹事長に起用しようとしているというスキャンダルを週刊誌が報じ、前原は決断に苦慮。幹事長をあきらめ代表代行に座らせようとするものの、「守り切れない」と判断し無役に。不倫を指摘する記事が出た後は、離党か議員辞職へと党内世論が追い込み、前原はいずれも引きずられた。

★代表選挙時には野党共闘は見直したい、特に共産党との共闘に、過去には共産党を「白アリ」とまで表現したが、地域共闘への理解があれば、認めようという雰囲気だった。8日の各党あいさつ回りでは、維新国対委員長・遠藤敬が「野党の枠組みはどうなるか」と尋ねると、元維新代表だった民進党国対委員長・松野頼久は「(維新も加えた)5党でやろう」と発言。前原も「冗談抜きに、しっかりと連携してほしい」と前向きな姿勢を示した。前原の松野国対委員長起用の真意が見えた瞬間だ。

★一方、前原は自由党代表・小沢一郎に対して「(民主党時代に)みんなが恐怖感を持っていた。もう少し小沢を活用する、あるいは『壊し屋』と言われる破壊力を後押しする度量があったら、(同政権の)3年3カ月は違う結果になった」と、今更ながら評価するとともに秋波を送った。

★一連の前原の発言と行動を見ていると、「ただの優柔不断なだけ。偽メール問題も、口だけ番長というレッテルも乗り越えたはずの前原が、ここ数日でもうグダグダだ。側近や執行部の助言に振り回されているのではないか」(ベテラン議員)。離党予備軍に厳しく対応したり、柔軟性を見せたりとはっきりしない。自民党は首相・安倍晋三や副総理兼財務相・麻生太郎が頻繁に会談するなど、風雲急だ。選挙は早いか。自民党の高笑いが聞こえる。

 

アニー→東大→検事→民進党政調会長 華麗なる経歴と子育て 山尾議員の崩れた虚像(2017年9月12日配信『産経新聞』)

 

 妻子ある弁護士(34)との「禁断愛」報道で民進党に離党届を出した元政調会長(43)。密会疑惑については詳細な説明をしなかったが、ミュージカルの主役から東大法学部、検事、そして国会議員という華麗な経歴については、メディアで自分語りを繰り返していた。(夕刊フジ)

 「保育園落ちた日本死ね!」という匿名ブログを国会で取り上げて注目され、昨年の新語・流行語大賞を受賞した山尾氏は、自身の子育てについてこう語っている。

 《両親のサポートは欠かせません。幸いにも夫婦ともに両親が都内にいるので、両家が総出で子育てしています》《子どもと触れ合う時間は、なかなか持てませんよね。私も週に二回は夕飯を作って一緒に食べようと心がけていますが、実際には難しい》(月刊文芸春秋2017年6月号)

 山尾氏は小学校1年生の時に、研究者だった父親が東京にある大学の医学部に入学し、一家3人で仙台市から都内に越してきたという。《お風呂もシャワーもない小さなアパートに家族3人で住みはじめました。ホーローの流し台が私のお風呂だったことを、今では楽しい思い出として覚えています》(経済界16年6月21日号)

 小学6年でミュージカル「アニー」の主役を務め、「天才少女」と報じられたことも。《IQ・230? 毎年、通信簿に書いてあって、いつもそうだから別にどうとも思わない》(Emma1985年12月25日号)

 東大法学部に現役合格。大学在学中に本も書いている。《「やるときはやればいい」というのが、私の考え方です》(『アニーの100日受験物語』)

 東大時代はラクロス部のマネジャーを務めた。『駒場三大巨乳』の一人だったとの噂については《まったく事実無根です(笑)》(週刊現代2016年4月16日号)。

 大学時代のゼミで「法と倫理」を学び、検事を経て政治家に。民進党の政調会長に就任した際には、《長男には「ママにとってあなたがいちばん大事だけど、困っている子供たちのために(政調会長を)やりたいの」と言うと「いいよ」って。(中略)夫からは「今まで以上にバックアップする」という言葉をもらい、決意が固まりました》(FLASH16年4月19日号)と明かしていたのだが…。

(2017年9月12日配信『徳島新聞』−「鳴潮」)

 

いいか悪いか、と問われれば、良くはない、と答える。それでも、ここ数年の不倫たたきには、いささか辟易(へきえき)している。それほどの「大罪」なら、いっそのこと不倫防止法でも作ればどうか

 そんな愚かな、と笑う向きもあろう。だが事実として戦後すぐの1947年まで、刑法に存在していたのである。「姦通(かんつう)罪」である。不貞を働いた妻を裁く法律だった

選択的夫婦別姓導入の議論もある男女平等の現代だ。ちょっと手を入れて、夫の裏切りも問うようにすればいい。「伝統的な家族観」の防衛に、大いに役立つかもしれない

 聖書に書いてある。<だれでも情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫(かんいん)をしたのである>。罪は、実行前から始まっている。倫理を問うのなら、共謀罪よろしく心の中まで裁くべきだ

 そんな法律が実現するはずがない。しかし、そうそう安心していられる状況か。確かに目に余る例もあるけれど、現に法がなくても「人民裁判」で有罪判決が連発されている

 芸能人と一緒にはできないが、つまらないことでは変わらない。山尾志桜里元政調会長が疑惑を否定しつつ、責任をとって民進党を去った。つまらないとは何事か、とお怒りの方もおられよう。その通りで不倫は褒められたものではない。けれども、国の一大事のように騒ぐ話とも思えない。

 

W不倫疑惑の山尾議員へ怒り、呆れ、批判…各界の声(2017年9月10日配信『日刊スポーツ』)

 

 山尾志桜里衆院議員(43)が年下弁護士とのダブル不倫疑惑を報じられ民進党を離党した。またもや噴出した政治家のスキャンダルに、各界から怒りやあきれなど様々な声が挙がっている。 

 山尾氏を支持している漫画家の小林よしのり氏(64)は6日、ブログで「山尾志桜里はわしが女性初の総理になれる逸材だと期待していただけに不倫スキャンダルは残念だ」と吐露。7日には「『仲が良すぎた』のは、わしも目撃している」と山尾氏と相手の倉持麟太郎弁護士(34)が親密な関係だったことを知っていたことを明かした。

 なお小林氏は「わしは本来、政治家の恋愛沙汰、不倫沙汰を認めていない。税金で雇われている身なのだから、『私』の欲望は抑えて、『公』のために尽くすのが政治家の使命だと思っている。政治家を志した時点で、それだけの覚悟は持つのが当たり前だと考える」と政治家の不倫についての持論を述べつつ、一方で8日には「民進党は、山尾議員の『能力』を評価できず、民主主義に不必要な『不倫の有無』だけで、山尾氏を離党にまで追い込んだ」と民進党を批判している。

 尾木ママこと教育評論家の尾木直樹氏(70)はブログで、国会議員の相次ぐ不倫報道に「議員さん! 自覚なさ過ぎますね! 気が緩み過ぎ 国民をバカにしています」と怒りをあらわに。さらに「ご本人や相手のお子さんたちのこと すごく心配になります」と親の不倫が子におよぼす悪影響を心配した。

 7日放送のTBS系「ひるおび!」で落語家の立川志らく(54)は、山尾氏が幹事長への抜てきの打診を受けた日に密会していたと報じられたことについて「せめてその日はホテルに行かないとか、ちょっと我慢しなさいよ」と笑う。

 ジャーナリスト山路徹氏(55)は8日放送のTBS系「ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜」で、山尾氏が疑惑を一方的に否定しながら質問は受け付けなかったことに「ベッキーの会見を思い出した。対応を相当誤った」とコメント。また、「好きになっちゃうと理性がなくなり周りが見えなくなる。本人たちは燃え上がってるから、周りが見えない。恋に落ちるっていうのは、いわば愚かになることだから」と自身も元妻の大桃美代子と前妻の麻木久仁子との三角関係騒動を起こした経験から持論を語った。

 8日放送のフジテレビ系「直撃LIVE グッディ!」では、安藤優子キャスター(58)が“倉持弁護士は政策ブレーンとして山尾氏と政策立案などの作業をしていた”という釈明を「ちょっとキビシイかな」とバッサリ。

 タレントのピーコ(72)は8日放送のTOKYO MX「5時に夢中!」で「ずうずうしいなと思った。行くとこ行ってるんだろうけど、何もしてないとか男女の関係じゃないとか」と厳しく批判した。

 

“山尾ショック”一掃へ 前原代表、離党議員に「刺客」も検討(2017年9月10日配信『スポーツニッポン』)

 

 民進党の前原誠司代表は9日、山梨県笛吹市で記者会見し、衆院議員5人前後が離党を検討している事態を踏まえ、次期衆院選への「刺客」擁立も選択肢に、離党阻止へ全力を挙げる考えを明らかにした。

 先の代表選で前原氏は、離党者への対立候補擁立に否定的だったが、7月の東京都議選から続く「離党ドミノ」が止まらなければ大きな痛手となるだけに軌道修正を図ったとみられる。ただ「週刊文春」でダブル不倫疑惑が報じられ、離党した山尾志桜里元政調会長(愛知7区)については「現時点で彼女の選挙区に候補者を立てることは考えていない」と述べ、将来の復党にも含みを持たせた。

 山尾氏はこの日、地元には入らず、7日夜に一方的に会見を打ち切って以降、公の場から姿を消している。関係者は「地元での釈明機会は早い方がいいが、現在のところ見通しは立っていません」と話した。

 一方“山尾ショック”は10月22日投開票の衆院補欠選挙(青森4区、新潟5区、愛媛3区)にも飛び火している。民進党青森県連関係者は「共産党との選挙協力をどうするのかなど、党からの新たな方針は何ら示されていない」と憤る。青森は野党統一候補で挑んだ16年夏の参院選で、自民候補を僅差で破っている。党のぐらつきが結果に直結するだけに、補選実施区の焦りは日に日に増している。

 

民進、山尾問題で党の脆弱性が露呈(2017年9月9日配信『日刊スポーツ』―「政界地獄耳」)

 

★民進党幻の幹事長・山尾志桜里問題は「男女の関係はない」と宣言し、離党届を提出して幕引きとしたいようだが、結果的には民進党の問題点や脆弱(ぜいじゃく)性が露呈した形となった。まず党内がうるさすぎる。同僚議員の窮地に「離党しろ」「議員辞職しろ」「それも15日以降で」。今辞めると愛知7区で補選の対象になるが、それを過ぎれば来年4月と、半年後にまとめて扱われるからだ。こういう時こそ執行部の判断や決定を静かに待つべきだ。各議員が評論家よろしく批判する、メディアが書き立てるという意味では、匿名で批判する議員たちは週刊誌と共犯ともいえる。彼らが党にダメージを与え続けた。最後まで山尾を守ろうという声やエネルギーは広がりを見せず、見守ることもできないやじ馬に終始した。

★本人のわきの甘さ、離党届までの迷走、提出後の文書読み上げと質問拒否など、山尾の対応の悪さも目立った。少なくとも幹事長の器ではないことは分かった。この対応もすべて民進党への逆風になると考える余裕もなかったのだろうが、執行部がもっとグリップしコントロールすべきだったろう。その突き放し方も中途半端だった。きわめて個人的で、好奇の目で見られることは明白で、党は山尾をグリップしながら、党と個人の問題を区別して対応しても良かったろう。

★山尾を血祭りにした後、民進党には何が残るのか。党代表・前原誠司には、民主党代表時代の偽メール事件の対応がよみがえったはずだ。議員を守ろうとして失敗し、また守り切れなかったという痛恨の思いがよぎった時、どこかで判断が鈍ったか。受け身の執行部は何を教訓にしたか。

 

議員辞職から反省表明まで 引責の対応さまざま(2017年9月9日配信『東京新聞』)

 

 既婚男性との交際を週刊誌に報じられた山尾志桜里衆院議員(愛知7区)が8日、民進党を離党した。「政治とカネ」の問題や不倫報道、失言などを受けた政治家の対応は、議員辞職や離党、役職の辞任などさまざまだ。議員にとって最も重いのは身分を失う議員辞職だ。衆院議員だった宮崎謙介氏は2016年2月、育休取得を表明した後に女性タレントとの不倫を報じられて、議員辞職した。

 山尾氏と同じく所属する党に迷惑がかからぬよう、離党する議員もいる。秘書への暴力行為などが報じられた豊田真由子衆院議員は週刊誌の発売直後、自民党に離党届を出し、了承された。

 役職辞任は珍しくない。12年12月の第2次安倍政権発足以降、不祥事などで6人の閣僚が辞任した。

 

“フリン”セス逃亡! 山尾氏、質問一切答えずの最悪会見 前原代表「極めて重い判断。尊重したい」(2017年9月9日配信『夕刊フジ』)

 

 民進党の山尾志桜里元政調会長(43)が逃げた。週刊文春が7日報じた、9歳年下のイケメン弁護士とのW不倫疑惑を否定しながらも、「(党に)迷惑をおかけする」として離党したのだ。記者団の質問にも一切答えなかった。不貞行為がないなら、元検事として堂々と戦うべきではないのか。「二重国籍」問題を引きずる蓮舫前代表(49)を1年も守りながら、不倫を否定した山尾氏をさっさと離党させる民進党のチグハグさ。文春はネット上で、大量の動画や写真を公開するなど、徹底追及の構えを見せている。

 法律家らしい「訴訟リスクを避けた対応」という印象だった。

 山尾氏は7日夜、週刊文春に、既婚者である倉持麟太郎弁護士(34)との不倫疑惑が報じられたことを受け、大島敦幹事長に離党届を提出し、翌日受理された。夫と6歳の息子がいる山尾氏は離党届提出後、国会内で記者団に以下のように語った。

 「(倉持氏は)政策ブレーンとして、政策の立案などを手伝ってもらった」「頻繁にコミュニケーションをとってきた」「(同泊の可能性を報じられた)ホテルには、私1人で宿泊した」「男女の関係はない」

 「誤解を生じさせるような行動で、ご迷惑をおかけした」「臨時国会の大切な論戦の場に混乱を持ち込むことは、さらなるご迷惑をおかけすることになる」「本日離党する決断をした」

 山尾氏は約6分間、用意した文章を読み上げただけで、記者団の「質問は受けないんですか?」「逃げるんですか!」という怒声を無視して、迎えの車に乗り込み、国会を後にした。「民進党のジャンヌ・ダルク」として、政府に厳しく説明責任を求めてきた姿勢とは180度違った。最悪の対応といえる。不倫疑惑を報道された自民党の今井絵理子参院議員は、反省の表明にとどまった。

 不祥事ではないが、民進党の蓮舫前代表は、7月の東京都議選の敗北や党の支持率低迷の責任を取り、代表を辞任した。 

文書で強調された「ホテルには、私1人で宿泊した」という部分は、法的な狙いがありそうだ。

 文春は「お泊まり禁断愛」と題した記事で、前原誠司代表から幹事長内定を受けた9月2日夜、山尾氏はJR品川駅近くの高級ホテルの36階のダブルルーム(=ベッドが1つしかない)に倉持氏と宿泊し、翌日早朝にチェックアウトした−と報じている。

 本人が「一線を越えてない」と釈明しても、裁判になれば「ダブルルームに男女で宿泊=不貞行為があった」と認定される可能性は高い。この部分は、明確に否定する必要があったようだ。

 ただ、都内の自宅に6歳の息子を残しながら、直線距離でわずか18キロ、車で1時間もかからない高級ホテルに午後8時ごろから1人で宿泊する必要があったのか。疑問は解消されていない。

 文春は記事で、山尾氏が8月28日夜と31日夜、倉持氏のマンションを訪ね、それぞれ、8時間半と5時間弱、滞在したと報じている。

 この件について、テレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」は8日、倉持氏の妻を直撃した様子を放送した。

 妻はベビーカーを押しながら、「(不倫疑惑に関し)状況がまったくわからない」「(私に)一過性の脳梗塞が出ていた」「中旬から実家に帰っていた」と答えた。

 山尾氏は、倉持氏の妻が病気療養中にマンションに出入りしていたのか。日本中の「主婦」を敵に回しかねない。

 民進党の対応もおかしい。

 国籍法で禁じられた「二重国籍」を認めた蓮舫氏を1年も代表として担いでおきながら、不倫を完全否定した山尾氏の離党届を簡単に受け取った。政党として整合性がとれないのではないか。

 こうした疑問について、前原氏が8日午前、記者団の質問に答えた。

 −−山尾氏の離党届が受理された

 前原氏「優秀な議員だと思っていただけに極めて残念だ」

 −−民進党は週刊誌報道などをもとに「疑惑は報じられた側に立証責任がある」と追及してきた。先頭にいた山尾氏が説明しないままだ

 前原氏「本人は、いろんなことを考えて党を離れた。そういう決断をされた」

 −−山尾氏は男女関係を否定して離党届を出した(おかしい)

 前原氏「本人しか分からないところがある。党を離れる決断をすることは、極めて重い判断だと思う。尊重したいと考えている」

 −−党として事実関係の確認はしていないのか

 前原氏「事実関係は本人にしか分からない。本人がそれを踏まえて政治家としての出処進退を判断した」

 これが野党第一党のトップなのか。「臭いものにフタ」ではないか。

 実は、山尾氏は当初、議員辞職の意向を漏らしていたという。前原氏が執行部と対応を協議し、10月の衆院3補選が、山尾氏の愛知7区を加えた4選挙区に増えることを懸念。山尾氏を離党で説得したと伝えられる。

 民進党関係者は「党内で、山尾氏の家庭内がゴチャゴチャしていることを知らない人はいない。最上の対応は、倉持氏との関係を素直に認め、議員辞職した後に一から出直す。最悪なのは、今回のように不倫疑惑を完全否定し、質疑応答を認めない中途半端な記者会見を開き、離党でお茶を濁すことだ」と語った。

 これだけで問題は終わらないとの見方もある。

 民進党のベテラン議員は「山尾氏はほかにも、いろいろ抱えているようだ。7日に議員辞職していれば、倉持氏との疑惑だけで終わったが、彼女が辞めるまで報道が続く可能性がある。政府・与党を厳しく追及しながら、自身については一切説明しない。そうなったら、政治生命を断たれてしまう」と語っている。

 

民進愛知県連が山尾氏離党を報告 選挙対応は「白紙だ」 地元共産党は「山尾氏は政治家にふさわしくない」(2017年9月9日配信『産経新聞』)

 

 民進党愛知県連は9日、名古屋市で定例幹事会を開き、山尾志桜里元政調会長(衆院愛知7区)の離党を県連所属の地方議員らに報告した。県連代表の大塚耕平参院議員は会合後の記者会見で、愛知7区の選挙対応について「白紙だ」と述べた。

 幹事会には、国会議員や次期衆院選の候補者、地方議員ら約30人が出席。大塚氏が経緯を報告したほかは、離党に関する議論はなかったという。

 大塚氏は会見で「7区に民進の候補がいなくなり、大きな痛手だ。他の選挙区にも影響があると思う」と指摘した。地元の党員や有権者に経緯を説明する機会を設けることも検討するという。

 一方、山尾氏の活動を一定程度評価し、7区への擁立を見送ってきた共産党県委員会幹部は取材に「山尾氏は政治家としてふさわしくない。共産の独自候補を擁立する」と述べた。

 

(2017年9月10日配信『中日新聞』−「夕刊」―【夕歩道】)

 

 野党も負けずにやってくれますなぁ。一線を越えたか否か。当事者しか分からぬ話にせよ、脇が甘すぎる。昔のフランス大統領のように「エ・アロール?(それが何か?)」とはいかぬようで…。

検事の追及とは、こういうものか。一人敢然と一強の首相を追い詰めれば、世の注目も大いに集まろうというものだ。文春砲にも狙われるわけである。有名税みたいなものだとしても、痛すぎる。

10代のころ演じたというアニーは確か、大恐慌のころ、明日を信じて孤児院を抜け出す少女の物語だったか。期待が大きかった分、支持者の失望は大きかろう。♪トゥモロー…は、霧の中である。

 

注;♪トゥモロー=映画『ANNIE/アニー』日本語吹替版テーマソング Flower 「TOMORROWしあわせの法則

 

前原民進党 党運営から甘さをなくせ(2017年9月9日配信『産経新聞』−「主張」)

 

 民進党の前原誠司新代表が、出だしから大きくつまずいた。

 党勢立て直しの目玉にしようとしていた幹事長人事が挫折した。しかもその理由が男女関係をめぐるスキャンダルというのは、何とも緊張感に欠ける話である。

 その山尾志桜里元政調会長は、既婚男性との交際疑惑について否定はするが、まともな説明ができないまま、離党に追い込まれた。

 この間、目立ったのは事態の収拾をめぐる前原氏の優柔不断な姿勢である。本人をかばおうとしてそれもかなわず、危機に対する認識と対応の甘さを、露呈したと言わざるを得ない。

 いったい、前原氏は山尾氏に何を期待していたのか。たしかに、山尾氏は待機児童問題などについて、国会で安倍晋三首相を鋭く追及したことなどが注目された。自民党議員のスキャンダルも厳しく批判していた。

 だが山尾氏は、自らの政治資金の処理をめぐり、元秘書が多額のガソリン代を計上していた問題を抱え、政調会長当時にも詳細な説明を避け続け、批判を受けた。

 このような人物を党の要職に起用しようと考えること自体、政治倫理への意識の低さを示す。不祥事を起こした際の身の処し方にも、大いに問題があった。

 当選2回の若手を抜擢(ばってき)するには、不安要素が多すぎることは分かっていたはずである。

 前原民進党 党運営から甘さをなくせ

 思い起こされるのは、前原氏自身が外相当時に外国人献金の発覚で辞任したことや、党代表のときに信憑(しんぴょう)性の薄いメールを根拠に自民党を攻撃し、謝罪したうえ、代表の座も失ったことなどだ。

 進退にかかわる重大事を経験していながら、適切な対処の仕方を学んでいないとすれば、指導者としての資質も問われよう。

 結局、山尾氏にかけられた疑惑の真偽は明確にされないまま、除名や辞職勧告ではなく、離党届を受理した。できるだけ穏便に、幕引きを図りたいのだろうが、国民の目には臭いものにフタと映るだろう。

 どのような人事をするにせよ、政策や理念の旗を鮮明に掲げ、論争できる態勢を固めるべきだ。

 山尾氏には限らない。自民党議員をめぐる不適切な交際などの不祥事も相次いでいる。片手間に政治をやっているようなレベルの議員なら不要である。

 

山尾氏離党 民進党よ、しっかりしろ(2017年9月9日配信『東京新聞』−「社説」)

 

 民進党新体制の発足早々なぜこんなことになったのか。山尾志桜里衆院議員の離党。政権を担う覚悟を全党で共有しているのかと疑いたくなる。言わねばならない。「民進党よ、しっかりしろ」と。

 離党のきっかけは、7日発売の週刊文春で報じられた、山尾氏と既婚男性との交際疑惑である。

 大島敦幹事長に離党届を提出した後、山尾氏は記者団に文書を読み上げ「誤解を生じさせる行動で迷惑をかけ、深く反省しておわびする。臨時国会の論戦に今回の混乱を持ち込むことは、さらなる迷惑をかけることになると判断した」と理由を説明した。

 国会質問では、保育園に子どもを預けられない母親の窮状を訴えた「保育園落ちた日本死ね」という匿名ブログを取り上げて安倍晋三首相を追及。政府が待機児童問題の深刻さを認識し、対策に本腰を入れるきっかけとなった。

 その後、当選2回ながら政調会長に登用されるなど、民進党のみならず政界の将来を担うべき有為な人材である。

 その山尾氏が代表選直後に離党に追い込まれたことに、失望している人たちは多いのではないか。特に、子育て世代には「裏切られた」との思いもあるようだ。

 個人的な問題と政治活動は別だとの声がないわけではない。

 しかし、そもそも誤解を生じさせるような行動を、民進党の再生を期すべき重要な時期にしていたことは軽率の極みである。

 常日ごろは説明責任を果たせ、と安倍政権に迫りながら、記者からの質問を一切受け付けなかった対応にも不信感が残る。

 前原誠司新代表は、山尾氏の幹事長起用を一度は決めながら、男性との交際疑惑を報道前に知り、撤回した。党の要である幹事長自身が疑惑にさらされる事態は避けられたが、前原新体制の船出はかなり厳しいものになるだろう。

 早ければ9月下旬には臨時国会が始まり、安倍政権と本格的な対決が始まる。10月22日には衆院3選挙区で補欠選挙、来年12月までには衆院選がある。再び政権交代を果たすには時間を要するだろうが、民進党がその足掛かりを築くには、失墜した党への信頼を回復することが前提だ。

 もはや甘えは許されない。自民党に代わる政策や理念の選択肢を示すのは国民のためだ。議員に限らず民進党にかかわるすべての人が、その決意を今後の政治行動で示すべきである。それができないのなら民進党に存在意義はない。

 

山尾志桜里氏不倫報道】密会の日「主人の勧めで実家で病気療養」 弁護士の妻が「モーニングショー」で証言(2017年9月8日配信『産経新聞』)

 

 民進党を離党した山尾志桜里衆院議員(43)の不倫疑惑問題で、交際相手とされる倉持麟太郎弁護士(34)の妻が、8日放送の情報番組「モーニングショー」(テレビ朝日系)で、2人が密会したとされる日に倉持氏の勧めで病気療養のため実家に帰っていたと証言した。

 不倫問題を報じた週刊文春によると、山尾氏は8月28日と31日に倉持氏の都内のマンションに宿泊。今月2日に名古屋市内のイベントに2人で参加し新幹線で帰京後、ホテルへ向かったとしている。

 番組によると、妻は「私に一過性の脳梗塞の前触れが出ていた」と説明し、「主人の勧めもあって療養のために子供と実家に帰っていた」と証言。2人が密会していたとされる8月28日や31日には「(8月)中旬からいなかったので状況は分からない」と答え、実家から戻ってきたのが、2人が名古屋から帰ってきた今月2日としている。

 このテレビでの証言に、ツイッター上では「絶対許せ無い。妻に対する背信行為」「病気療養中に密会を重ねるとか、これこそゲス不倫」「子供が可哀想だわ」といった批判の声が寄せられた。

 

不倫疑惑で山尾氏離党 執行部が“議員辞職だ”と大騒ぎの愚(2017年9月8日配信『日刊ゲンダイ』)

 

 既婚男性との「ダブル不倫」疑惑を週刊文春に報じられた民進党の山尾志桜里衆院議員(43)が、7日離党届を提出した。会見で疑惑について、「男女の関係はありません」と否定したものの、「誤解を生じさせる行動でさまざまな方々に迷惑をかけた」「臨時国会の場に混乱を持ち込むことは党にさらなる迷惑をかける」として、離党を決めたという。

 それにしても、である。7日の民進党の迷走はひどかった。

 まず午前、前原代表が報道陣に囲まれると、「本人から話を聞きたい」と発言。その最中に、党内からは「離党」どころか「議員辞職」を求める声が上がる。午後になると、執行部の一部が山尾氏に議員辞職を促したという一報まで流れた。夕方になって、大島幹事長に対応が一任され、夜、山尾氏と大島幹事長が会い、離党届提出となったのだった。

 不倫は問題だとしても個人的なことであり、政治資金疑惑などとは違う。所属議員の不倫報道が続いた自民党は、毎度「出処進退は議員自身が決めること」としてきた。その結果、“ゲス不倫”の宮崎謙介前衆院議員こそ同僚議員の妻に促されたらしく議員辞職したが、“重婚ストーカー不倫”の中川俊直衆院議員は離党、“略奪不倫”の今井絵理子参院議員に至っては離党すらしていない。

それなのに民進党は、党役員でもない一議員の個人的な問題に党が前面に出てきて、「議員辞職だ」とワーワー言って騒ぎを大きくしているのだからどうしようもない。

■溺れる人を蹴飛ばす“悪しき文化”

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏もこう言う。

「山尾さんが幹事長に就任していたら党として一大事ですけど、未然に防いだわけですから、ここまで大騒ぎする話じゃないでしょう。突き放して、『議員の出処進退は本人が決めること』とすればいいのに、どうして全体で抱えようとするのか。兵隊が勝手なことを言い出し、溺れる人を蹴飛ばすのは民進党の悪しき“文化”です。幹事長人事でもそうでしたが、選挙で選ばれた代表が決めたことでも、『俺は気に入らない』と文句を言う。組織政党としてお粗末です」

 今月15日までに山尾氏が議員辞職したら、来月22日の補選になる。「自民党は補選が増えるのを避けるため、『ハゲーー!』の豊田真由子議員を辞職させないのに、後先考えずに辞職を叫ぶ民進党ってホント、おめでたいですね」(自民党中堅議員)という皮肉も。

 やっぱり、もう解党しかないか。

 

「文春砲」に脱帽だが、あきれる民進党の危機管理 山尾氏の“身体検査”はしなかったのか(2017年9月8日配信『産経新聞』−「浪速風」)

 

 「文春砲」に脱帽するしかない。民進党の山尾志桜里(しおり)元政調会長の既婚男性との交際疑惑報道は、ターゲットといい、タイミングといい、絶妙だった。山尾氏は離党届を提出した。男女関係があったか、なかったかはさておく。あきれるのは政党・政治家の危機管理意識の希薄さである。

▼前原誠司代表は新執行部人事の目玉として、山尾氏を幹事長に起用しようとした。党内の反発で撤回したが、実現していたらどうなったか。“身体検査”はしなかったのだろうか。さらに議員辞職を不利な補欠選挙が増えるという理由で思いとどまらせたという。国民感情をまったく理解していない。

▼危機管理の要諦は、初めに最悪の事態を想定することである。過小評価すると、歯止めが利かなくなる。ある程度の損害を覚悟して、誠実性を疑われるような言動は避けなければならない。「森友・加計(かけ)問題」での安倍政権の対応も同様である。民進党はあれほど批判していたのに。

 

不倫報道、なぜ過熱する? テレビでは笑いがわく場面も(2017年9月8日配信『朝日新聞』」)

 

不倫と報道された有名人たちの例

 

 お笑い芸人、タレント、政治家、作家……。そして7日、また、民進党の山尾志桜里衆院議員の「不倫」問題が報じられた。なぜ今、こんなに不倫報道が過熱するのか。

 同日発売の「週刊文春」は「イケメン弁護士と『お泊まり禁断愛』」とのタイトルで、山尾氏が妻子ある男性と密会していたと大きく報じた。山尾氏は同日、離党を表明した。民放各局のワイドショーや情報番組は7日朝からこの話題でもちきりだった。例えば、テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」は約45分を割いた。出演者が、国会論戦で活躍した山尾氏についた異名をもじり、「ジャンヌ・ダルクは最終的に火あぶりになるわけで」とコメント。笑いがわく一幕もあった。

 不倫報道は最近目立つ。政治家では宮崎謙介氏、今井絵理子氏、中川俊直氏、お笑い芸人の宮迫博之さん、俳優の渡辺謙さんや斉藤由貴さん、作家の乙武洋匡さんら多くの有名人が報じられた。週刊誌のスクープなどをきっかけにテレビやネットで取り上げられ、謝罪を迫られるパターンだ。

 いつの世にも不倫はあり、古今東西の文学の題材にもなってきた。だが、メディアコンサルタントの境治さんは「それにしても、いまの報道の過熱ぶりは異常だ」とみる。民放の在京キー局が、不倫報道にどれだけ時間を割いているかをデータ会社に依頼して調べたところ、2014年、15年は30時間未満だったのに、16年に170時間に急増、今年は8月27日までで120時間に上り、「この2年の突出ぶりが際立つ」という。

 要因の一つはネットとテレビの相乗効果だ。週刊誌がネットで不倫報道を予告するパターンが始まり、ある民放キー局幹部は、「世の中の一大事のように報じるのはどうかと思う。だが、制作現場にとって、ネット上の反応が世間の関心事のバロメーターになっている。ネットが盛り上がると、テレビでも取り上げやすくなる」と語る。

 境さんは、不倫のイメージの変化も挙げる。転機は、16年1月に発覚したタレント・ベッキーさんとミュージシャン・川谷絵音さん。境さんは「謝罪後に、実は反省していないとも受け取れるLINEでのやりとりが世間にさらされる新しい展開で、『不倫=完全悪』のイメージができあがり、メディアも視聴者も、いまも引きずっている」とみる。

 「コンプライアンス」(法令順守)の風潮の強まりを指摘するのは、岩波明・昭和大教授(精神医学)だ。岩波教授は「不倫のとらえ方は人、事例によって異なるはずで、それほど悪いと思っていない人もいるだろう。なのに、不倫を許容するような意見を表明した人まで批判の対象になる雰囲気がある。寛容さが失われているようにも思う」。

 過熱する不倫報道の裏で、実は、不倫にともなう慰謝料の相場は下がっているという。不倫訴訟に詳しい田村勇人弁護士は、不倫で離婚した場合に裁判で認められる慰謝料は約300万円、離婚しない場合で100万円だといい、10年前と比べて2、3割減だと明かす。「裁判所が、円満な家庭を維持することの価値が相対的に下がっている、と考えているのかもしれない」

 それでも不倫の注目度が上がることについて、岩波さんは「いまの社会は、いったん『悪』のイメージがついた人を一斉にバッシングする風潮がある。不倫は褒められたことではないが、批判できるのは身内だけなのではないか」と話す。

 

山尾議員の目に涙「1人で宿泊」不倫否定も質問拒否(2017年9月8日配信『日刊スポーツ』)

 

 妻子ある9歳年下の弁護士との「ダブル不倫疑惑」を週刊文春に報じられた民進党の山尾志桜里衆院議員(43)は7日夜、大島敦幹事長に離党届を提出した。提出後の取材では、写真を撮られた倉持麟太郎氏(34)と「男女の関係はない」と明言したが、質問は受けず、逃げるように去った。若手のホープと目された山尾氏の「脱落」は、旧民主党時代の偽メール事件以来との声も出る深刻な事態に発展し、就任直後の前原誠司代表の求心力も急落。党は、“崩壊”寸前だ。

 山尾氏は午後8時すぎ、やつれた表情で国会に現れた。自身に代わって幹事長職に就任した大島氏に、離党届を提出。その後、取材の場が設定され、山尾氏は3枚つづりのペーパーを、硬い表情で読み始めた。

 山尾氏は、幹事長内示を受けた今月2日、「週刊文春」に、倉持氏と都内のホテルに別々に入る様子などをキャッチされたが「男女の関係はありません」と明言。ホテルにも「私1人で宿泊した」と述べたが、「誤解を生じさせるような行動で、さまざまな方にご迷惑をかけた」ことを、離党の理由に挙げた。

 倉持氏は「政策ブレーン」で、頻繁にコミュニケーションを取っていたと主張。打ち合わせは2人の場合もあり「弁護士のご自宅の場合もあった」といい、信頼の強さをうかがわせた。

 「これまで離党を考えたことは1度もない」とした上で、「臨時国会、国会論戦の場に今回の混乱を持ち込むのは、さらに迷惑をかける」と説明。自身を幹事長に抜てきしようとした前原氏にも「水を差す形となった」と謝罪。何度も唇をかみしめ、目にはうっすら涙も浮かんだ。

 約6分間、文面を読み上げた後は、質疑に応じず退室。舌鋒(ぜっぽう)の鋭さと発信力を売りに、「民進党のジャンヌ・ダルク」と呼ばれた姿はなかった。検事出身ながら立証責任を果たさず、「逃げるんですか」と報道陣の罵声が飛ぶ中、山尾氏は表情ひとつ変えず車に乗り込んだ。

 党関係者によると、山尾氏は、一貫して文春の報道内容を否定。幹事長や代表代行などへの起用が見送られた際も、「どうしてこうなってしまったのか教えてほしい」と周辺に相談するなど、危機感は薄かったという。「攻めには強くても、守りは弱かった」(与党関係者)との指摘もあり、脇の甘さが今回の事態を招いたともいえる。

 船出直後の前原執行部にダメージを与えた山尾氏をかばう声は党内にほとんどなく、「自業自得」と突き放す声も。離党届は提出しても、今後は説明責任が問われる。

 

 ◆山尾志桜里(やまお・しおり)1974年(昭49)7月24日、宮城県生まれ。東京学芸大付属高から93年に東大文科1類合格。99年に東大法学部卒。02年に司法試験合格。検事を経て09年、衆院愛知7区から初当選。当選2回。夫(IT企業社長)との間に1男。

 

W不倫報道の山尾氏、「男女の関係はない」釈明も離党届提出(2017年9月8日配信『サンケイスポーツ』)

 

 民進党の山尾志桜里元政調会長(43)は7日、大島敦幹事長(60)と国会内で会い、離党届を提出した。同日発売の「週刊文春」が既婚の男性弁護士(34)との交際疑惑を報じていた。同日夜、国会内で記者会見を開いた山尾氏は、時折目を潤ませ「本当に申し訳ありません」と謝罪したが、報じられた男性との間に「男女の関係はない」と断言した。

 黒いスーツ姿で会見場に現れた山尾氏。集まった多数の報道陣を見渡しながら用意した紙をゆっくりと読み上げた。「本当に申し訳ありませんでした」と謝罪。男性については「ブレーンとしてお手伝いいただいた。男女の関係はない」と疑惑を否定した。

 会見時間は約6分。質問は一切受け付けず足早に会見場を後にした。「議員活動は続けるのか」「記事の事実関係は」。追い掛ける報道陣の問い掛けに無言を貫き、硬い表情のまま迎えの車に乗り込んだ。

 1日に就任したばかりの前原誠司党代表にとって大きな打撃だ。10月22日の衆院3補欠選挙を控え、党へのダメージは避けられない。

 “文春砲”の存在が分かってから、党内では「旧民主党時代の偽メール問題に次ぐインパクトだ」(中堅)と早期の幕引きを求める声が大勢だった。当時、代表の前原氏は同問題の対応を誤り、執行部総退陣に追い込まれた「苦い過去」(幹部)がある。

 ベテラン議員は「山尾氏が再起を図るためにも辞職すべきだ」と主張。ただ山尾氏が9月15日以前に辞職した場合、10月の3補選と同一日程となるため「不利な選挙戦を避けるには離党で様子見すべきだ」との意見も交錯していた。執行部が山尾氏と相談しつつ出した結論は、離党届提出による幕引きだった。

「離党予備軍」の若手は諦め顔で「党に未来がないことが、よりはっきりした」と語る。一時浮上した「山尾幹事長」の撤回や今回の不祥事が離党へと背中を押す状況となり、前原執行部は窮地に追い込まれそうだ。閣僚経験者は「来週以降、離党の動きが表面化するだろう」と予測した。

 政治アナリスト・伊藤惇夫氏

「代表が前原氏でも枝野幸男氏でも新鮮さはなかった。山尾氏という新しいスターの登場でプラス要因になるはずだったのに、マイナス要因になってしまった。前原代表は、港の中で座礁したような印象だ」

★山尾氏発言要旨

 週刊誌記載の弁護士は政策ブレーンとしてお手伝いいただいた。頻繁にコミュニケーションをとっていた。打ち合わせなどは2人の場合も、それ以上の場合もあった。記事にあるホテルには私一人で宿泊した。弁護士と男女の関係はない。誤解を生じさせる行動で迷惑をかけたことを深く反省し、おわびする。

 前原誠司代表には、新執行部を立ち上げるタイミングで大変な迷惑をかけた。私は民主党、民進党に育てられ、チャンスをもらい、落選中を含めて支え続けてもらった。民進党が掲げる理念や取り組んできた政策への思いは、今も変わらない。しかし、間もなく始まる国会論戦の場に今回の混乱を持ち込むことは、さらなる迷惑をかけると判断し、離党する決断をした。

 

週4密会?W不倫疑惑で離党の山尾氏、息子残して朝帰り 民進呆然、議員辞職求める声も(2017年9月8日配信『夕刊フジ』)

 

 7日発売の週刊文春に、9歳年下のイケメン弁護士とのW不倫疑惑を報じられ、同日夜に大島敦幹事長に離党届を提出した民進党の山尾志桜里元政調会長(43)が、議員辞職も検討していたことが分かった。前原誠司代表と大島幹事長に説得され、離党にとどめるべきとの判断に落ち着いたようだが、「保育園落ちた日本死ね!」という匿名ブログを国会で取り上げて、政府の待機児童対策を厳しく追及しておきながら、6歳の息子を残して朝帰りとは…。民進党内には、前原代表の初陣となる10月の衆院3補選への影響を懸念して、離党だけでなく議員辞職を求める声が高まっており、窮地に立たされている。 

 週刊文春によると、山尾氏は、前原氏から幹事長の内示を受けた今月2日夜、若手論客として知られる倉持麟太郎弁護士(34)とJR品川駅近くの高級ホテルのダブルルームに宿泊。8月28日夜も、男性が管理する都内のマンションに泊まるなど、週に4度も密会した。

 北朝鮮が「6回目の核実験」を強行し、政府・与党が対応に追われていた3日の夕方も、山尾氏は都内にある男性の事務所に滞在していた。文春取材班はこの直後、山尾氏を自宅近くで直撃していた。

 この模様は、文春オンラインで動画として公開されている。文春取材班に「男性と、どのような関係ですか」「先ほど一緒にいた」「不倫されていませんか?」などと追及され、山尾氏は顔面蒼白(そうはく)になりながら、「そう言われても…」「事務所の方に取材対応は…」などと答えている。

 待機児童問題で、「総理、論点がズレてます!」などと、安倍晋三首相を激しく追及した面影はそこにはなかった。

 山尾氏は、実業家の夫との間に長男(6)がおり、男性にも妻子がいる。男性は憲法に詳しい弁護士として情報番組などに出演し、一昨年の衆院平和安全法制特別委員会では、安全保障関連法案の審議で参考人を務めた。

前原氏は当初、山尾氏の幹事長起用を新執行部の目玉人事として内定していたが、人事を決める5日の両院議員総会の直前に撤回した。党内から「当選2回で経験不足」という異論が出たことに加え、「文春が山尾氏の不倫報道をするらしい」という事前情報が大きく影響した。

 船出したばかりの「前原民進党」のイメージを大きく傷つけた山尾氏に対し、党内では「離党は避けられない」「議員辞職すべきだ」という意見が広がっていた。山尾氏自身が議員辞職を検討しているとの報道もあった。

 民進党の中堅議員は「彼女は『普通の女性』『母親』の代弁者として、国会で政府を厳しく追及してきた。国民を裏切った罪は重い。場合によっては議員辞職に追い込まれる可能性すらある」と、夕刊フジの取材に語った。

 別の民進党議員は「若手弁護士との写真を撮られたタイミングが最悪だ。幹事長内示を受けて、舞い上がっていたのだろう。あまりにも脇が甘い。幹事長就任後だったら、民進党は壊滅していた」と話した。

 自民党でも「ゲス不倫」が発覚した宮崎謙介氏は衆院議員を辞職し、中川俊直衆院議員は離党している。

 民進党の対応について、前原氏は7日午前、「(山尾氏)本人から事情を聴きたい」と都内で記者団に語った。「山尾問題」で党のイメージがさらに悪化し、「離党ドミノ」に、拍車がかかることを恐れていたようだ。

 これまで、政府与党に厳しく説明責任を求めてきた山尾氏は、今回の文春報道を受け、民進党に離党届を提出。「本当に申し訳ありません」と繰り返し謝罪の言葉を述べながらも、倉持弁護士については「政策ブレーン」とし、男女の関係については「ない」と否定。記者団の質疑には応じず、足早に立ち去った。

 夕刊フジは、山尾氏の事務所に「週刊文春で報道された経緯は事実か」「山尾氏にとって倉持弁護士はどういう存在なのか」「山尾氏の家族は、男性のマンションに行き来していることを知っているのか」などの質問状を送っていたが、7日正午までに回答はなかった。

 

「裏切られた」「脇が甘い」…山尾氏の地元、批判と困惑(2017年9月7日配信『朝日新聞』)

 

 既婚男性との交際疑惑を週刊誌に報道された民進党の山尾志桜里(しおり)元政務調査会長(43)が7日夜、離党届を出した。前原誠司代表率いる新執行部で刷新を打ち出そうとした矢先の醜聞と離党劇。地元の有権者や地方議員からは、批判や困惑の声が相次いだ。

 山尾氏の地元・愛知7区。前回衆院選で山尾氏に投票した愛知県長久手市の主婦(41)は「世の中でこれだけ不倫問題が騒がれている時に、立場をわきまえてほしかった。それが有権者に対する責任ではないか」と話した。

 同じく同県瀬戸市の市民団体代表中村儀朋さん(67)は「新しい道を切り開いてくれると期待していただけに非常に残念だ。注目を集めていたのに脇が甘いとしか言いようがない」。同県日進市の会社経営の女性(52)は「やましいことをしていないなら堂々としているべきだ。子育て女性の代表のような存在だったので、裏切られた思いでいっぱいです」と厳しい口調で語った。

 民進関係者には衝撃が広がった。県連幹事長の塚本久県議は「次世代のリーダーの一人と思っていただけに、非常に残念だ。党に迷惑を掛けたくないとの思いから離党を選択したのだろう」と思いやった。だが「衆院の議席が一つ減るうえ、今後の党勢に大きな影響があると思う。愛知は全国的に見ても民進が頑張っている地域だけに大打撃だ」と頭を抱えた。

 7区を地盤とする長江正成県議は「『残念だ』と思う有権者と『あきれた』と考える有権者のどちらが多いのか、肌感覚で分かりかねる状態だ」。福田喜夫県議は今後山尾氏を支援するかは「分からない」と話したが「政治家としてはすばらしいセンスを持っているので、頑張ってほしい」と語った。

 支援団体の連合愛知幹部は「マスコミ情報しかない。残念としか言いようがない」と言葉少なだった。

 野党共闘を目指す共産党は次期衆院選で7区への候補擁立見送りを示唆していた。石山淳一県委員会書記長は「政治家としての資質が問われる問題だ。山尾氏が無所属になる以上、7区の共闘は振り出しに戻す必要がある」と話した。

 2014年衆院選では7区で山尾氏に敗れた自民党の鈴木淳司衆院議員(比例東海)は「選挙区で戦う相手。このようなことでコメントしたくはない。政治家としてこういう批判を受けることは本人が最も無念だろう」と語った。7区が地盤の自民、深谷勝彦県議は「選挙民を裏切った。疑惑が真実なら議員辞職すべきだ」と批判。次期衆院選について「このままなら鈴木氏が楽々当選だろう」と語った。

 

「週4密会での子育て…待機児童問題に熱心なのも分かる」ツイッターで著名人も批判 議員辞職求めるのは「自己チュー男」と擁護論も(2017年9月7日配信『産経新聞』)

 

 民進党の山尾志桜里元政調会長(43)=衆院愛知7区=が7日発売の週刊文春に既婚男性との不倫疑惑を報じられた問題で、ツイッターなどでは著名人からもさまざまな批判や擁護の声が上がった。

 待機児童問題に取り組んでいた議員だけに、作家の百田尚樹さんは「週に4回も密会となれば、子育てしながらは難しい。保育所の待機児童問題に熱心になるのは理解できる」と皮肉たっぷりにツイートした。

 タレントのフィフィさんも「今井(絵里子)議員になんの対応もしない自民に比べりゃ、山尾議員の離党を検討してる民進はマシに見えるけど『保育園落ちた、日本シネ』でママ達の味方ってフリしてたのはタチ悪いし、しかも宮崎(謙介)議員の不倫を散々非難して、そこにガソリン問題も追加したら、離党で済ませるとかおかしいでしょ、議員辞職が妥当」と手厳しい。

 一方、作家の室井佑月さんはテレビ番組で「仕事ができる人の方が良いわけだから」とした上で、「ここで終わりになっちゃうのはもったいない」などと擁護した。ジャーナリストの江川紹子さんも「今、山尾議員に離党しろだの議員辞職しろだの言っている民進党議員は、彼女が広告塔として自分の選挙の役に立つかどうか、しか頭にない、究極の自己チュー男じゃないか、と疑っている。名を名乗って言え」と投稿した。

 山尾氏は衆院愛知7区選出で当選2回。元検事で論戦力に定評があり、「保育園落ちた日本死ね」と書き込まれた匿名ブログを国会で取り上げ、安倍晋三首相を追及して注目を集めた。

 

山尾氏の交際疑惑報道 「辞職か離党」で民進対応(2017年9月7日配信『東京新聞』)

  

 民進党は7日、同日発売の週刊文春が山尾志桜里元政調会長と既婚男性との交際疑惑を報じたことを踏まえ、山尾氏の議員辞職か離党でこの問題に対応する方針を固めた。前原誠司代表が近く山尾氏と会い、意向を確認した上で、最終判断する。党関係者が明らかにした。山尾氏は若手の代表格で、前原執行部への打撃は避けられない。

 前原氏は7日都内で、記者団に交際疑惑に関し「本人から話を聞きたい」と語った。事実関係をきちんと説明する場を設けるのかと問われると「検討する」と答えた。前原氏はこの後、党本部に入った。大島敦幹事長らと会い、対応を協議したとみられる。10月の衆院3補欠選挙への影響を最小限にしたい考えだ。

 山尾氏の事務所は本紙の取材に「対応を検討している」と話した。

 前原氏は新執行部人事で当初、山尾氏を幹事長にする方針を固め、本人に伝えた。しかし、人事を決める5日の両院議員総会の直前に撤回した。党内から「経験不足」との異論が出たことに加え、交際疑惑が週刊誌で報じられるとの情報が影響したとみられる。

 前原氏は、幹事長としての山尾氏の起用を断念した後「活躍の場を探したい」と語っていた。党内では前原氏に山尾氏の離党か辞職を求める声が強まっていた。

 山尾氏は、衆院愛知7区選出で当選2回。検事出身の論客。保育園に子どもを預けられない母親が書き込んだ「保育園落ちた日本死ね」とのブログを国会で取り上げ、安倍政権の待機児童問題への取り組みを追及した。

 

山尾志桜里議員のダブル不倫疑惑、テリー伊藤氏「若い男の肉体におぼれちゃったから…」(2017年9月7日配信『スポーツ報知』)

 

 7日放送のTBS系「ビビット」(月〜金曜・前8時)でこの日発売の「週刊文春」で報じられた民進党の山尾志桜里元政調会長(43)と34歳の弁護士とのダブル不倫疑惑について特集した。

 番組では「週刊文春」の記者が山尾氏を直撃した「週刊文春デジタル」の映像を放送した。山尾氏は記者からの不倫相手と報じられた34歳の妻子ある弁護士について「どのような関係ですか」と問われ「事務所の方に全部、取材対応はお願いしてますけれども」と歩きながら答えた。続けて「不倫されてませんか」というストレートな問いには「はぁ」と苦笑いを浮かべながらため息をついていた。

 コメンテーターのテリー伊藤氏(67)は今回の疑惑について「世間ではありますよ。年上の女性が若い男の肉体におぼれるっていうのは。理性でおさえられない彼女のそういう部分はあるんだよね。肉体におぼれちゃったから、普通に考えればしないことをしてしまった」と見解を示した。さらに政治家は、いいことをしてもすぐ忘れられるとした一方で「不倫のことは10年も20年も覚えられる。これからもずっと言われていくわけ。政治家として大変な岐路に立った。すごく期待していたし、政治家としては優秀。でもこういうことで政治家としての生命が終わっちゃうのは残念な気がします」とコメントしていた。

 

山尾氏、弁護士と不倫報道 幹事長内示で「祝杯」も(2017年9月7日配信『日刊スポーツ』)

 

 民進党の山尾志桜里衆院議員(43)が、「幻」と消えた幹事長への抜てき打診を受けた今月2日、若手の論客、倉持麟太郎弁護士(34)とホテルで密会していたと、7日発売の「週刊文春」が報じた。同誌は、別の日も逢瀬(おうせ)を重ねる2人を掲載した。

 山尾氏は7日昼の時点で、事実関係の説明をしていない。報道内容が事実なら幹事長人事の白紙撤回は、山尾氏自身の脇の甘さが招いたことになる。

 「イケメン弁護士とお泊まり禁断愛」と題した文春の報道によると、山尾氏は確認されただけで、先月28日から9月3日の1週間だけで4回、倉持氏と会ったという。特に今月2日には、名古屋市で開かれた山尾氏の会合に2人で出席後、新幹線でともに帰京。改札を出ると反対方向に歩いて別行動を取ったが、総菜や赤ワインを買い、近くの高級ホテルで再び合流。3日早朝まで過ごしたという。

 民進党関係者によると、山尾氏は2日、前日1日に代表に選ばれた前原誠司代表(55)から、幹事長就任の打診を受けた。文春は、倉持氏とのホテル密会は、幹事長内示の「祝杯」だったのではないかと指摘している。

 山尾氏は3日朝、ホテルを出た後、衆院愛媛3区補選の選挙応援に向かったが、とんぼ返りで帰京し、再び倉持氏と合流。倉持氏の車で、自宅まで送られたという。倉持氏の車の助手席で笑顔をみせる山尾氏や、ホテルや倉持氏が所有するマンションに別々に入る様子、新幹線のグリーン車で隣り合って座る姿など、ツーショットを含めた写真も複数掲載されている。

 文春によると、山尾氏が取材を受けたのは、選挙応援から帰京後の3日午後。山尾氏はこの後、倉持氏との件で取材を受けたことを前原氏に報告した。その後、前原氏は山尾氏の幹事長起用を白紙撤回した。党関係者は「山尾さんは、脇が甘すぎる」と指摘した。

 山尾氏との不倫疑惑が浮上した倉持氏は、中央大法科大学院修了後、12年に弁護士登録。安保法制をめぐり15年7月、衆院特別委員会の会合で参考人として意見を述べたほか、テレビ出演も多い。

 山尾氏には、実業家の夫と6歳の男児がおり、倉持氏にも妻子がいる。報道内からは、「ダブル不倫」の疑惑を招くのは避けられず、政治家としては大きなダメージになる。

 

山尾氏が議員辞職検討 周囲に伝える 前原代表と対応協議へ(2017年9月7日配信『産経新聞』)

 

 民進党の山尾志桜里元政調会長(43)=衆院愛知7区=が7日発売の週刊文春に既婚男性との不倫疑惑を報じられた問題で、山尾氏が周囲に「議員辞職を検討している」と伝えたことがわかった。山尾氏は近く前原誠司代表と会談し、対応を話し合う。

 前原氏は7日午前、都内で山尾氏の問題について「本人からも話を聞きたい」とのみ記者団に語り、報道に関する具体的なコメントは避けた。

 複数の民進党関係者によると、山尾氏は不倫疑惑を全面否定しているものの、10月に行われる3つの衆院補欠選挙への影響を懸念しているという。

 ただ、山尾氏がこのタイミングで議員辞職すると、10月に衆院愛知7区でも同時補選となることから、党幹部は議員辞職を避けたい考えだ。

 週刊文春の報道では、山尾氏が前原氏から幹事長への就任を内示された2日夜、既婚の男性弁護士と都内のホテルに宿泊した。文春は「週4回密会」とし、2人が別々にホテルやマンションに入る写真も掲載している。

 

坂上忍、山尾議員の不倫疑惑に不快感「この方々の懐には僕らの税金が入っている」(2017年9月7日配信『スポーツニッポン』)

 

 俳優の坂上忍(50)が7日放送のフジテレビ「バイキング」(月金曜前11・55)に生出演し、同日発売の「週刊文春」で9歳年下の弁護士とのダブル不倫疑惑が報じられた民進党・山尾志桜里元政調会長(43)について「まだ疑われるようなことする人がいたんですね」と不快感を示した。

 芸能界だけでなく政界でも不倫騒動が続いている中での今回の報道について「これだけ政界、芸能界問わず不倫が問題視される中、まだ疑われるようなことする人がいたんですね」とあきれ顔で切り出した坂上。この日ゲスト出演したタレントの山田邦子(57)が「(不倫騒動が)力となって(仕事を)バリバリやるんならいいんじゃないの」と政治家として結果を出しているのならプライベートは問題視しない姿勢を見せたのに対し、坂上は「このお立場の方がこういう行動をとられること自体、相当問題だと思う」と言い切った。

 「誰が揉めるの?(山尾氏の)ご主人もいいかもしれないし、こっち(弁護士の男性)の奥さんもいいかもしれなかったら」と不倫はあくまでも家庭内の問題では…という山田に対し、坂上は「公人と私人は違う」と山尾氏が政治家であるからこそ問題であると主張。「他の方々もこういうことが起こった時に出処進退というのは罰も含めてお受けになっている。立場ってものがある。この方々の懐には僕らの税金が入っているわけです。僕はそこにこだわります」と国会議員の資質を問われかねない疑惑の浮上に怒りをにじませた。

 山尾氏は6日、周囲に疑惑を否定したが、坂上は「間違った報道なら戦えばいい。疑惑を払拭できる材料があるなら徹底的に戦っていただきたい」と話していた。

 

今度は山尾志桜里氏の不倫疑惑…民進党が支持を得られないワケ(2017年9月7日配信『産経新聞』−「産経抄)

 

 なぜ、民進党は支持を得られないのか。月刊誌「中央公論」8月号で、所属議員たちが緊急討論を行っている。玄葉光一郎衆院議員によれば、北朝鮮のやまない挑発行動と高い株価、メディアコントロールの3つが、安倍政権に有利に働いているという。

▼いや、それだけが理由ではなさそうだ。前原誠司代表は新執行部の人事の目玉として、緊急討論にも参加している山尾志桜里元政調会長(43)の幹事長起用を決めていた。山尾氏といえば、「保育園落ちた 日本死ね」の匿名ブログを国会で取り上げ、大いに名を上げた。自身が抱える政治資金疑惑をものともせず、舌鋒(ぜっぽう)鋭く政権批判を繰り返してきた論客である。

▼そこに「文春砲」が炸裂(さくれつ)した。今日発売の週刊誌で、既婚男性との不倫疑惑が報じられるとわかり、起用を断念した。11年前の「偽メール事件」の悪夢が蘇(よみがえ)ったのかもしれない。国会質疑で所属議員が証拠にあげたメールが捏造(ねつぞう)と判明して、当時党の代表を務めていた前原氏は辞任に追い込まれている。

▼もっとも今回、山尾氏も相手の男性も疑惑を否定している。弁解を信じておとがめなし、とはいかなかった。ただ、臭いものに蓋をする。せっかく新たな民進党が船出したばかりというのに、世間の風当たりを気にしてびくびくする、「小心翼翼」のリーダーの姿が痛々しい。

▼実は、この四字熟語の本来の意味は違う。慎み深く細かいことにも気を配り、まわりの国々の者が帰服した。中国・周王朝の基礎をつくった文王の徳をたたえた言葉だという(『四字熟語ひとくち話』岩波新書)。

▼だとすれば、迷走続きに嫌気がさした議員による「離党ドミノ」が心配されている民進党には、まったくそぐわないことになる。

 

民進党新執行部 内輪もめ排し信頼回復を(2017年9月7日配信『新潟日報』−「社説」)

 

 また同じことの繰り返しか。そう感じた国民や支持者は少なくないはずだ。これでは、党勢立て直しの基盤となる有権者の信頼回復も進むまい。

 前原誠司代表率いる民進党の新執行部が発足した。だが役員人事は混迷し、党再建は出だしから試練にさらされたといえる。

 迷走の原因は、党の要となる幹事長人事である。新幹事長にいったんは山尾志桜里元政調会長を内定しながら、党内の強い異論に遭って撤回した。

 山尾氏は昨年の国会で匿名のブログ「保育園落ちた日本死ね」を取り上げ、安倍晋三首相を鋭く追及した。

 前原氏はこうした発信力に期待をかけ、党のイメージ刷新につながる「顔」として、衆院当選2回の山尾氏を幹事長に抜てきすることにしていた。

 これに対し「経験不足」などの異論が噴出し、代表選で前原氏を支えた勢力が最も強く反発した。週刊誌が山尾氏のスキャンダルを報じるとの情報もあり、要職への起用を断念した。

 山尾氏は疑惑を否定した上で要職に就くことを辞退した。前原氏は山尾氏へのダメージを考慮して判断したという。

 人心を一新し、党が再生に向けて出直しを図ろうという大事な局面である。執行部の重要ポストを巡って混乱が起きたことは、痛手であるのは間違いない。

 党の今後を見据えれば、「寄り合い所帯」とやゆされてきた民進党の結束のなさがまたも露呈したことも大きな問題だろう。

 新代表の主導する人事に異論や反発が出るのは、象徴的な出来事といっていい。

 幹事長人事では、蓮舫代表時代も野田佳彦前首相を起用して猛反発を受けた。なぜ、毎度のようにゴタゴタが起きるのか。

 民進党は党内が一枚岩となって難局に立ち向かわなければならない時である。

 今回の代表選後の共同通信世論調査でも、党勢回復の兆しは見えなかった。新代表となった前原氏に「期待しない」とする回答は5割を超え、「期待する」(40・3%)を上回った。

 スタート地点から足並みがバラバラでは、挙党態勢の確立は遠のくばかりだ。

 国民に対する責任を果たす。政党や国会議員が当然備えていなければならない気構えだろう。しかし、民進党全体にその覚悟があるのかどうか。

 前原氏は代表に選ばれた直後のあいさつで政権交代への決意を訴え、「国民への使命を果たす」と強調した。民進党国会議員一人一人が改めてかみしめるべきだ。

 代表選の全国遊説の皮切りは先月22日の新潟市だった。その後に行われた討論会では、党員・サポーターから「良い人材がいるのになぜまとまらないのか」「代表選後はスクラムを組んで」と、結束を求める意見が上がった。

 内向き体質を脱し、こうした声を党運営にきちんと反映させていかなければ、前原氏が目指す民進党再生は望めないだろう。

 

民進党 内部対立の時ではない(2017年9月7日配信『信濃毎日新聞』−「社説」)

 

 相変わらず足並みがそろわない。こんな状態で一致結束して巨大与党に対抗していけるのか、先行きに心配が募る民進党新執行部の船出である。

 前原誠司代表が、党運営の要となる幹事長の人事でいきなりつまずいた。内定していた山尾志桜里元政調会長の起用を引っ込め、大島敦元総務副大臣を充てる異例の展開である。

 山尾氏については代表代行に据えることも検討したものの、「交友関係を巡る問題が近く週刊誌で報じられる」との情報もあり、見送っている。

 衆院当選2回の山尾氏の起用に対し、代表選で前原氏を支援した勢力から「経験不足」と強い反発が出た。党内の反応を読み違えた形だ。若手の抜てきでイメージを刷新する思惑は外れ、統率力に疑問符が付く結果になった。

 前原氏が側近と秘密裏に進めた人事構想に「ごく一部で勝手に決めた」との声もある。人事を承認した両院議員総会の出席者は所属議員の6割に満たない。

 新たな顔触れで反転攻勢を図る時なのに、肝心なところでまとまりきれない。旧民主党時代からの悪癖だ。党立て直しの難しさが改めて浮き彫りになった。

 与党の数の力による強引な国会運営が続いている。安倍晋三首相は、野党が憲法の規定に基づいて要求した臨時国会の早期召集にも応じなかった。野党や国会を軽視する政権の姿勢が甚だしい。

 与党に対抗する勢力がなければ政治に緊張感は生まれない。議員一人一人が野党第1党の責任を自覚すべきだ。足の引っ張り合いをしている場合ではない。

 代表選を争った枝野幸男元官房長官を代表代行、枝野陣営の選対本部長を務めた長妻昭元厚生労働相を選対委員長に起用した。党内のバランスに配慮した人事だ。仕切り直しへ前原氏は指導力を発揮しなくてはならない。

 差し当たっての大きな課題は10月に行われる衆院3補欠選挙への対応である。民意の受け皿となる選択肢を示せなければ、政党として存在意義を問われる。

 次期衆院選での共産党との選挙協力見直しを主張してきた前原氏は、代表選後の記者会見で「野党統一候補の擁立は、まず各県連から状況を聞き、新体制で相談して決めたい」としていた。

 政権に批判的な有権者の票が分散し、野党候補が共倒れするようでは与党を利するだけだ。どう臨むのか、新執行部としての戦略を早急に打ち出す必要がある。

 

民進党新執行部  不退転の決意こそ必要(2017年9月7日配信『京都新聞』−「社説」)

 

 「人事のことでご心配をお掛けしていることに、おわびを申し上げたい」。前原誠司代表が冒頭のあいさつを陳謝の言葉で始めざるを得ない民進党の新執行部の船出となった。

 党実務のナンバー2の幹事長に内定した山尾志桜里元政調会長の任用案を撤回し、大島敦元総務副大臣に替える人事案を承認する両院議員総会が開かれた。代表代行に前原氏と代表選を戦った枝野幸男元官房長官、政調会長に階猛元政調会長代理、国対委員長に松野頼久元官房副長官、選対委員長に長妻昭元厚生労働相を充てた。

 蓮舫前代表が野田佳彦前首相を幹事長にして反発を招いたことを教訓に若手起用を目指したが、幹事長人事の入れ替えは異例だ。

 山尾氏の抜てきは、前原代表が女性幹事長は「選挙の顔」になるとして就任を求め、本人から内諾を得ていたとされる。ところが、まだ当選2回であり、党内から候補者調整や党を束ねるには「経験不足」の声が広がり、断念した。

 人事でのつまずきは大きい。前原代表の誤算の責任は重く、早急な党内立て直しが必要だ。それにしても、新執行部の旗揚げとなる両院議員総会の参加者が党所属議員の6割に満たなかったのは残念だ。蓮舫氏の姿もなかった。

 離党予備軍の存在も取りざたされる。求心力の回復なしに党再生はありえない。代表選後の世論調査では、「支持する政党はない」と答えた無党派層のうち、前原代表に「期待しない」は半数を超える56・1%に達した。前原代表には不退転の決意が求められる。

 自民党は議席数で「1強」だが、国会論戦では加計学園問題を契機に風向きが変わった。今が攻めどきなのに、民進党は反転攻勢の出鼻をくじかれた印象が残る。

 当面は、10月投票の衆院の3補欠選挙が焦点になる。いずれも自民党現職の死亡に伴う選挙で、野党共闘が鍵を握る。共産党は共闘に前向きだが、前原代表は否定的とされる。次の総選挙も見通し、政権奪還への道筋を含めた建設的な選挙構想を示すべきだ。

 北朝鮮問題も深刻だ。核やミサイル開発をめぐり、米国と北朝鮮が威嚇と挑発を繰り返し、東アジアの緊張が高まっている。日本の領土をミサイルが飛び越す光景に国民の不安が高まっている。

 野党の第1党として、この危機にどう対処するのか。長く聞かれなかった「野党外交」の展望について、今月末にも召集される臨時国会では、明確な声を聞きたい。

 

前原新執行部 まず足元を固めるべきだ(2017年9月7日配信『熊本日日新聞』−「社説」)

 

 人心を一新し、党勢回復へ向けて挙党一致で取り組むのではなかったのか。

 民進党の前原誠司代表は新執行部の人事で、いったん幹事長に内定した山尾志桜里元政調会長の起用案を撤回し、大島敦元総務副大臣に差し替えた。出はなからのつまずきであり、前原氏の指導力に疑問符がついた形だ。

 山尾氏の起用は、前原氏が特にこだわって決めたことだ。山尾氏は当選2回だが、子どもが保育園に入れないと憤った匿名ブログを国会で取り上げ、安倍政権を厳しく追及し知名度を上げた。前原氏としては「選挙の顔」になると期待していた。

 しかし党内から「経験不足」との異論が噴出。代表代行への差し替えを一時検討したものの、山尾氏本人の「スキャンダル浮上」の情報もあり、回避する判断に傾いたとみられる。代表選では野党共闘の是非が焦点になったが、山尾氏が共産党との選挙協力を進めた昨年の参院選当時の政調会長だったことも、反発を招いたようだ。

 異論を押し切って党内を混乱させるより、まずは安定した船出を優先させたいことは理解できる。ただ問題なのは、今回のドタバタ劇ともいえる騒動で前原氏の脇の甘さが透けることだ。

 人事構想は、前原氏と側近の小川淳也元総務政務官、代表選で選対本部長を務めた大島氏の3人で秘密裏に進められた。ところが、山尾氏起用への反発の声は代表選で前原氏を支持したグループからが最も強かったという。前原氏には「誤算」だったようだが、支持グループの動向も把握できなかったのなら、先行きが危ぶまれる。

 憂慮すべきなのは、反転攻勢を図らなければならないこの大事な時期に党内の結束のなさをまたも露呈したことだ。人事案を承認した両院議員総会への出席は党所属議員の6割を下回る81人にとどまった。党内の不満が相当数に広がっていることがうかがえる。

 共同通信社の世論調査では、「前原氏に期待する」との回答は40・3%にとどまり、昨年の蓮舫氏就任時の56・9%を大きく下回った。政党支持率も7・5%と低迷したままだ。

 共産党との選挙協力や連合との間合い、国政新党結成を掲げる若狭勝衆院議員との関係など、党としての具体的な方向性はまだ伝わってこない。くすぶった党内の対立を解消するのが容易でないことは分かるが、リーダーが明確な道筋を示さなければ党再生のスタートを切ることはできまい。

 民進党は、細野豪志元環境相ら有力議員を含む離党者が相次ぐなど崩壊の危機にひんしている。そのことは、自民、民進両党による二大政党システムが破綻する可能性があるということだ。その意味で、民進党のかじを取る前原氏の双肩には日本政治の行方がかかっていると言っても過言ではない。

 このままでは有権者にさらに失望感が広がりかねない。自民党に代わる受け皿になりたいのなら、まず足元を固めることが急務だ。

 

[前原執行部発足] 党勢を立て直せるのか(2017年9月7日配信『南日本新聞』−「社説」)

 

 反転攻勢に打って出ようとした矢先に、つまずいていてどうするのか。猛省し、まず足元を固めることだ。

 民進党の新執行部が発足した。だが、前原誠司代表が目玉に位置づけた山尾志桜里元政調会長の幹事長起用構想は、党内の強い異論を受けて大島敦元総務副大臣に差し替えられた。

 内定した主要人事の変更は極めて異例だ。前原氏の指導力に早くも疑問符が付いたといえる。

 ここぞという局面で混乱し、一枚岩になれない民主党時代からの「あしき慣習」にちがいない。うんざりしている有権者は少なくなかろう。

 党運営の要となる幹事長人事を巡っては、これまでも問題になったケースがある。

 最近では昨年9月、蓮舫前代表が自身が所属する党内グループから後ろ盾として野田佳彦前首相を起用し、猛反発を招いて求心力が低下する遠因となった。

 今回、山尾氏を抜てきしようとした前原氏の狙いは理解できる。

 衆院当選2回ながら、国会で待機児童問題を追及して注目されるなど、前原氏は山尾氏を「将来の代表候補」と評価する。

 何よりも差し迫った課題は、10月22日に投開票される衆院3補欠選挙だ。「選挙の顔」になると見込んでいたのは間違いない。

 誤算は、代表選で前原氏を支持した勢力から「経験不足」との不満が続出したことだ。

 山尾氏が、共産党との選挙協力を進めた昨年の参院選当時の政調会長だったことも、共産党との関係を見直すべきだとする「離党予備軍」から厳しい目を注がれた。

 さらに追い打ちをかけたのは、山尾氏自身の不倫疑惑が近く週刊誌で報じられるとのスキャンダルの浮上だった。

 党勢を立て直すには、ベテランに頼るだけでなく、思い切った若手の起用も必要だ。前原氏は最終的に、人事で窮地に陥ることを避ける判断をしたのだろう。

 驚いたのは、執行部人事案を提案した両院議員総会に出席した党所属議員が6割に満たなかったことである。前原執行部にとって寂しい船出となった。

 とはいえ、ここからどう踏ん張れるかが日本の政治を左右するといっていい。

 加計学園問題などで、国民は安倍政権に不信の目を向けている。巨大与党に対する野党第1党の責任は大きいことを自覚すべきだ。

 社会保障制度の在り方や原発などエネルギー政策、憲法改正など対立軸を鮮明にして、与党に建設的な論戦を挑んでほしい。

 

(2017年9月7日配信『南日本新聞』−「南風録」)

 

「民進党は相変わらずサラダドレッシングのようだ」。漫画家の弘兼憲史さんがある新聞で語っていた。水と油が混ざったように見えるときもあるが、すぐに分離すると。

 調和してこそ用をなすドレッシングに例えるとは、「島耕作」シリーズで大企業の舞台裏を描いた弘兼さんらしい。その見立て通り、また水と油がせめぎ合ったのか。前原誠司代表が山尾志桜里元政調会長の幹事長起用を断念した。

 山尾氏は「保育園落ちた 日本死ね」のブログを国会で取り上げ、待機児童問題に切り込んだ。検事出身らしく共謀罪法の問題点も追及し、論客として名を上げた。前原氏はその発信力が「選挙の顔」になると期待したが、出はなをくじかれた格好だ。

 衆院当選2回、43歳の山尾氏の力量不足を懸念する声は当初からあった。若手の抜てきに反発したのが代表選で前原氏を推した勢力だったのは痛い。山尾氏のスキャンダルが取り沙汰されたのも誤算だったろう。

 前原氏は代表選で2030年代の原発ゼロを掲げ、社会保障を念頭に消費税増税に前向きな姿勢を示した。改憲論議にも応じる構えを見せている。どれも避けて通れないテーマで安倍政権との対立軸になり得るはずだ。

 国会論戦を盛り上げるのに党内の結束が不可欠なのは言うまでもない。人事の混乱が尾を引くようでは、「政権批判の受け皿」はますます遠のくばかりだ。

 

民進党再生に向けて注目された前原誠司代表の執行部人事(2017年9月7日配信『沖縄タイムス』−「大弦小弦」)

 

 民進党再生に向けて注目された前原誠司代表の執行部人事は、大きくつまずいた。幹事長に内定していた山尾志桜里元政調会長を撤回、自らに近い大島敦元総務副大臣に差し替えた

▼山尾氏は国会で匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね」を取り上げ、待機児童問題などで論戦をリード。国民への発信力が期待されていた

▼若手女性の登用には身内から反発が大きく、男性との交友を巡り週刊誌から取材を受けたことも重なり、前原氏は主導権を発揮できなかった

▼旧民主党が政権を獲得する以前の2005年「次の内閣」の防衛庁長官だった前原氏に、インタビューしたことがある。前原氏は、普天間飛行場の返還問題で「普天間の代替施設は必要ない」と明言。海兵隊の国外移転に言及、米軍基地の管理権を自衛隊へ移管して、日本側の主体性発揮の必要性も強調していた

▼しかし、政権獲得後は、日米合意にこだわり、普天間を「最低でも県外」と訴えた鳩山由紀夫首相の政策を支えることはなかった。最近の会見では「沖縄の皆さんを(辺野古で)説得することが大事ではないか」とまで言い切る

▼自ら選んだ代表を支えず、互いに足を引っ張り合う体質が、期待感をしぼませていった。民進党の支持率は7・5%。自民党政権に代わる受け皿になるために、対立軸をどうつくるかが問われている。

 

「離党」口にする議員に覚悟あるか(2017年9月7日配信『日刊スポーツ』―「政界地獄耳」)

 

★幻の幹事長候補・山尾志桜里を巡り民進党内の声を聞くと、なんとも暗たんたる気持ちになる。山尾が幹事長候補になれば、「経験不足」「選挙実務が足りない」と批判し、スキャンダル報道が出れば今度は「もう解党だ」「もう終わりだ」と嘆く。この党の文化とは何なのだろうか。他力頼みで、風や波に乗り当選。その時は自分のおかげで逆風が吹けば「もうだめだ」と自分以外の誰かのせいに。民進党の組織政党としての覚悟もプライドもないありさまにはうんざりする。

★「ここはピンチだ。みんなで応援して支えよう」という声が聞こえてこないのはもうしょうがないとあきらめるとしても、幹部が何か発言して空気を変えたり、ムードを作るなど知恵も出ない。メディアの厳しい声や有権者のあきれた声につられて一緒にへこたれてどうする。ほんの数日前に反転攻勢を誓ったばかりではなかったのか。

★党内には離党ドミノを案ずる声もある。離党者がこれから続出するのではないかという不安だ。党中堅議員が答える。「『離党』をみんな簡単に口にする。離党した元の仲間と簡単に『また一緒に仕事ができる日が来るかもしれない』と同僚議員と声を掛け合う。そんなに簡単なものだろうか。離党すればすぐさま、民進党総支部の資金が止まり活動もストップする。党からの資金が止まれば事務所の維持から秘書の給与まですぐに響く。勢いで飛び出すのは結構だが、その覚悟がどれだけの議員にあるのか」。加えて党の離党者や除名者と「また一緒に」と簡単に言うが、組織を離れたものの友達感覚で政党を運営することもおかしな話だ。そんな暇があるなら無名の幹事長・大島敦とともに街に出て、全国を歩きみんなに顔でも覚えてもらってこい。

 

民進・山尾志桜里氏が離党を検討、週刊誌が交際問題報じる(2017年9月7日配信『TBSニュース』)

 

 民進党の山尾志桜里元政調会長は、週刊誌で知人の男性との交際問題が報じられることを受け、離党を検討していることがわかりました。

 山尾氏を巡っては、7日発売の週刊誌に知人男性との交際問題が報じられますが、民進党関係者によりますと、山尾氏は、離党も選択肢の1つとして検討しているということです。

 党内には、不倫により議員辞職した宮崎謙介元衆院議員や、自民党を離党した中川俊直衆院議員の例を挙げ、「離党は避けられないのではないか」といった声や、議員辞職を求める声があがっていて、山尾氏は近く、自らの対応について前原代表に報告することにしています。

 

民進山尾氏の離党論広がる 週刊誌が交際疑惑(2017年9月7日配信『共同通信』)

  

 民進党の山尾志桜里元政調会長(43)と既婚男性との交際疑惑を今週発売の週刊文春が報じることが6日、分かった。山尾氏も既婚で子どもがいる。これを受け、党内では前原誠司代表の国政選挙の初陣となる10月の衆院3補選へ影響する懸念から、山尾氏の離党は避けられないとの見方が広がった。議員辞職を求める声も一部に出た。

 前原氏は当初、山尾氏の幹事長起用を執行部の目玉人事として内定していたが、人事を決める5日の両院議員総会の直前に撤回した。党内から「経験不足」との異論が出たことに加え、週刊文春による報道の事前情報が影響したとみられている。

 

「立証責任は報じられた側にある」という毎度毎度の論法に従い、山尾氏は真実を誠実に語ってくれるんですよね?(2017年9月7日配信『産経新聞』)

 

 山尾志桜里民進党元政調会長の不倫疑惑を7日発売の週刊文春が報じることが分かった。同党は週刊誌報道を根拠に国会で政府を追及する機会が多く、山尾氏も昨年、週刊誌報道が口火を切った甘利明元経済再生担当相の元秘書による金銭授受問題を徹底追及した。週刊誌から逆攻撃される「特大ブーメラン」に党や山尾氏はどう答えるのか。

 「秘書のやったことについて本人の責任が免れるわけではない!」

 山尾氏は昨年、党疑惑追及チームのメンバーとして甘利氏が金銭授受に関与したとする週刊誌報道をなぞるように追及した。民進党議員が週刊誌報道を利用するのは常套手段といえる。

 「週刊文春は厳密に裏取りをしています!」

 杉尾秀哉参院議員は3月2日の参院予算委員会で、学校法人「森友学園」への国有地払い下げ問題を追及する際、文春の記事を読み上げ執拗に財務官僚をただした。加計学園の獣医学部新設計画も、宮崎岳志衆院議員が5月8日の衆院予算委員会で複数の週刊誌を挙げて安倍晋三首相と学園理事長との関係を質問した。

 山尾氏は今回の文春報道に関し取材に応じていない。昨年4月に元秘書によるガソリン代の不正請求が発覚したときは同年12月にようやく、東京の政治部記者から逃れるように名古屋市で記者会見を行った。

山尾氏は母親として政府の子育て政策の問題点を追及してきたが、「既婚男性と週4回も密会」(文春)するようなら政治家の信用性にもかかわる。

 加計問題で首相は自身の指示を否定し、関与を示す証拠も出ていない。それでも疑惑を連呼する民進党は「立証責任は政府にある」との立場だ。山尾氏も単なる否定だけではなく、真実を誠実に答えることだろう。

 

W不倫疑惑浮上の民進・山尾氏、気になるお相手は9歳年下の弁護士 “山尾ショック”で「離党予備軍」刺激も(2017年9月7日配信『夕刊フジ』)

 

前原誠司代表率いる民進党に、早くも暗雲がたれ込めてきた。党本部で5日、両院議員総会を開き、新執行部を発足させたが、元検事の山尾志桜里前政調会長(43)の幹事長起用を断念したのだ。フレッシュ感を出すための「前原人事」が頓挫した裏には「W不倫疑惑騒動」があった。相手は誰なのか。“山尾ショック”は、離党予備軍を刺激し始めている。

 6日の朝刊各紙は、前原氏が、山尾氏の起用を断念した理由について、次のように報じた。

 「週刊誌が不倫疑惑の真偽について関係者に直接取材を始めた…」(産経)

 「『週刊誌が山尾氏の男性との交際問題を取材している』(党関係者)との情報を得て…」(朝日)

 スポーツ紙には「不倫疑惑」「不倫疑惑報道」という大きな見出しが躍った。相手は、9歳年下の既婚者で、安保法制と憲法の問題に精通し、党にも関係する弁護士というが、山尾氏も弁護士も不倫疑惑を否定しているという。

 ただ、山尾氏は「普通の女性」「母親」として、待機児童対策問題などに関して安倍晋三首相に鋭く切り込んできた。女性が忌み嫌う不倫疑惑を報じられた女性幹事長が誕生すれば、党へのダメージは計り知れない。

 あるベテラン議員は「山尾氏と弁護士については、党内でも『もしかして…』という噂はあった」と明かした。

 前原氏は4日午後になって急遽(きゅうきょ)、幹事長を山尾氏から大島敦元総務副大臣(60)に差し替えた。その後、山尾氏に代表代行を打診したが、山尾氏は固辞したという。

 5日の両院議員総会で、前原氏は「人事のことでご心配をおかけしていることに、まずおわび申し上げたい」と語り、党内に無用な混乱を引き起こしたことを陳謝した。

 新執行部の船出となる総会は約20分間行われたが、政権奪取に向けた熱気・熱意は感じられず、拍子抜けしたデビュー戦となった。出席議員も82人で、全議員の約6割に過ぎなかった。

 ある若手議員は夕刊フジ記者に対し、「今回の山尾氏の疑惑を聞いて、このまま民進党に残っていいのか、気持ちが大きく揺らいでいる」と告白した。山尾ショックは党内の「離党予備軍」を活性化させたようだ。

(2017年9月6日配信『中日新聞』−[夕刊]−【夕歩道】)

 

民進党の新しい代表は、鉄ちゃん、それも撮り鉄だとか。だからと言うわけじゃないのだろうが、まるで環状線を堂々巡りするような、就任直後のテレビ各局のインタビュー。お疲れさまでした。

 そこは二度目の貫禄か。「ご自身を、鉄道にたとえると?」みたいな珍質問にも、「SL同様、出発が大事。急にスロットルを引くと空転します」とにこやかに。だが始発から、黒煙立ち上る−。

 肝心の幹事長の人選で、のっけから内輪もめ。線路を遮る障害ありか。ああ幻の女性幹事長。山を動かす暇(いとま)もなしに、開き始めた桜を散らし、里心の赴くままに、志まで枯らしてしまわぬように。 

 

民進党議員は人事に不満やけん制ばかり(2017年9月6日配信『日刊スポーツ』―「政界地獄耳」)

 

★5日午後、民進党は両院議員総会を開き、新代表・前原誠司執行部の人事を発表したものの、山尾志桜里に内定していた幹事長人事は、党代表代行に内定していた大島敦にスライドさせた。総会の冒頭、前原は「人事でご心配させていることをおわびしたい」と謝罪から入った。生まれ変わった民進党に期待したものの、冒頭からいつもの民進党だったことを思い知らされた。まさに突っ込みどころ満載だ。

★山尾起用中止は、週刊誌に若手弁護士との不倫写真が掲載されることが直接的な理由なようだが、ガソリン代疑惑についても党首脳たちには問題との認識はなかったようで、甘い身体検査、身内に甘いとの指摘の声も上がりそうだ。一方、報道によれば、山尾起用には「経験が浅い」などの党内の異論に配慮したとの側面もあるという。経験が浅い若手をベテランが支えて育てるという文化が、民進党にはなかなか根付かない。メディアは、その「異論」を言う議員は誰かを書くべきだ。団結がこの代表選挙の最大のテーマではなかったのか。

★「経験」でいうならば、首相経験者の野田佳彦を幹事長に据えても「気に入らない」と協力しない政党だ。山尾は経験不足だからダメ、首相まで経験した野田もダメ。一体この党の議員は、誰が幹事長なら満足なのだろうか。この党の幹事長は、自民党幹事長・二階俊博と戦う宿命があるのではないか。今までの人事に対しての不満やけん制をやめられない議員たちこそ、文句を言うのではなく、自分で離党し、自分が満足する政党で人事を行えばいい。前原は過去に「口だけ番長」と言われたが、この党の体質がそこにあるのではないか。前原はいち早くそこから脱却したとしても、党の成熟度はまだ低い。

 

山尾氏も不倫か、週刊誌取材で発覚 民進党新体制の目玉“崩壊”(2017年9月6日配信『スポーツニッポン』)

 

 

民進党の両院議員総会に出席した山尾志桜里衆院議員

 

 民進党に結党以来最大の激震が走った。東京・永田町の党本部で5日、両院議員総会が行われ、前原誠司代表の新体制がスタート。だが、幹事長に内定していた山尾志桜里元政調会長の起用を直前に撤回し、大島敦元総務副大臣を任命する前代未聞のトラブルが発生した。ドタバタの背景には、山尾氏の不倫疑惑があることが判明。前原民進党は船出から大揺れとなっている。

 前原体制の目玉とされた新幹事長人事。就任したのは、山尾氏ではなかった。

 内定した主要人事の変更は極めて異例。人事を承認、発表の当日になって急転した背景について、民進党幹部は「当選2回の山尾氏では経験不足との声があり、党内で意見が割れた」と説明したが、本当の理由は山尾氏に不倫疑惑が浮上したためだ。別の民進党幹部は「週刊誌で男性とのスキャンダルが報道される。実際、取材も受けたと聞いている」と明かした。

 山尾氏は09年に「女性しか伝えられない思いを政治の世界に」をうたい文句に初当選、女性層の支持を集めてきた。だが、自民党の今井絵理子参院議員の不倫疑惑が話題になったばかりで、女性層が最も嫌悪する不倫疑惑が浮上。山尾氏を抜てきすることで刷新感を打ち出し、低迷する党勢の回復につなげようとした前原氏にとっても大打撃となった。

 両院議員総会後、前原氏は、報道陣から「(山尾氏の)不貞疑惑が週刊誌に掲載されるようだが」と聞かれ「私はまだ読んでいないが、そういうことをされる方ではないと思う」と言いながらも「疑惑が人事に影響したか」との問いには否定できなかった。続いて「全国を飛び回ってもらいたかった」と悔やみ、要職を任せることができない問題が出たことを、うかがわせた。

 山尾氏はこの日、不倫疑惑を否定した上で、要職に就くことを辞退することを前原氏に伝えた。両院議員総会に出席後は、報道陣を避けるように裏口から出ていった。関係者によると、疑惑の相手は「一緒に勉強会を開くなど親しい間柄の年下の弁護士」という。

 山尾氏は昨年、元秘書が地球5周分のガソリン代を不正に経費処理していたことが明らかになった。その問題が記憶に残る中の不倫疑惑。今後、国会議員の資質を問われ、厳しい立ち場に立たされることになる。それだけでなく、民進党の行く末をも左右する可能性もあるだけに、山尾氏の疑惑に対する説明が待たれる。

 

 【最近の議員不倫疑惑】

 ▼宮崎謙介氏(京都3区=当時)2016年2月、妻の金子恵美衆院議員の妊娠中、元タレントと不倫していたことが報じられ議員辞職

 ▼中川俊直衆院議員(広島4区)今年4月、不倫女性に絡むストーカー登録、重婚疑惑が報じられ、経済産業政務官を辞任し離党。7月29日に地元広島で謝罪会見

 ▼今井絵理子参院議員(比例)7月27日に週刊誌に神戸市議(当時)の橋本健氏との不倫交際疑惑が報じられる。同日に書面で「略奪不倫ではない」などと釈明。

 

ダブル不倫疑惑の山尾志桜里氏を「選挙の顔に」と考えていた前原誠司代表(2017年9月6日配信『産経新聞』)

 

 民進党の前原誠司代表は6日夜のBSフジ番組で、山尾志桜里元政調会長の幹事長起用断念の経緯について「10月22日に3つの(衆院)補欠選挙がある。しっかりと戦うために、選挙の顔になり得る方(として山尾氏の登用)を考えたことは事実だ」と語った。

 山尾氏と年下弁護士との「ダブル不倫疑惑報道」が人事に影響したかについては「総合的に判断していい布陣になったと思っている」と述べるにとどめた。

 

山尾志桜里氏不倫報道 次は「幹事長落ちた、民進党死ね」に期待? 維新・足立康史氏が辛口ツイート(2017年9月6日配信『産経新聞』)

 

 日本維新の会の足立康史衆院議員は5日のツイッターへの投稿で、民進党の山尾志桜里元政調会長の幹事長起用が見送られたことに関し、山尾氏が国会論戦で取り上げたブログの「保育園落ちた日本死ね」のフレーズを引き合いに、「次は期待しています!『幹事長落ちた、民進党死ね。』」と皮肉った。

 

 

「週4回密会」文春報じる 動画も公開 山尾氏はコメントせず(2017年9月5日配信『産経新聞』)

 

 民進党の山尾志桜里元政調会長(43)と既婚の男性弁護士(34)との不倫疑惑を、7日発売の週刊文春が報じることが分かった。前原誠司代表は新執行部で山尾氏の幹事長就任を内定していたが、不倫疑惑が報じられることが明らかになり、起用を断念した一因になったとみられる。

 文春によると、山尾氏は2日夜、男性と都内のホテルに宿泊した。8月28日夜も男性が管理する都内のマンションに泊まり、翌朝帰宅してから永田町に向かった。文春は「週4回密会」とし、2人が別々にホテルやマンションに入る写真も掲載。山尾氏への取材を撮影した動画を6日にインターネットで公開した。

 山尾氏は夫との間に長男(6)がおり、男性にも妻子がいる。男性は憲法に詳しい弁護士として情報番組などに出演し、一昨年の衆院平和安全法制特別委員会では、安全保障関連法案の審議で参考人を務めた。

 党関係者によると、代表選で前原陣営の主軸として活動した山尾氏は2日に前原氏から幹事長の内示を受けたという。3日に文春の取材を受け、前原氏には疑惑を全否定した。

 産経新聞は山尾氏にコメントを求めたが、6日夕方時点で返答はなかった。男性弁護士は産経新聞の取材に、不倫疑惑を「事実無根」と否定した。

 前原氏は6日、広島市で記者団に山尾氏の不倫疑惑について問われたが、「コメントできる状況ではない」と述べるにとどめた。

 

民進幹事長に山尾志桜里氏 刷新狙うも「ガソリン」問題と諸刃の剣(2017年9月3日配信『産経新聞』)

 

 民進党の前原誠司代表は3日、焦点の幹事長人事について、自身に近い山尾志桜里前政調会長(43)の起用を決めた。旧民主党時代を含め女性幹事長は初めて。40代前半の山尾氏を抜擢(ばってき)することで、党の刷新をアピールする考えだ。代表選で敗れた枝野幸男元官房長官(53)は代表代行、枝野陣営の選対本部長だった長妻昭元厚生労働相(57)を選対委員長に起用し、挙党態勢も演出した。

 新執行部は5日の両院議員総会で正式に発足する。山尾氏は、前原氏が会長を務める前原グループ(凌雲会)に所属し、代表選で前原陣営の主軸として奔走した。自民党も女性を幹事長に登用した例はなく「『若く、かつ女性』という点は次期衆院選で格好のアピール材料になる」(前原氏側近)と踏んだようだ。

 ただ、山尾氏は昨年、自身が支部長を務める政党支部の収支報告書で不明朗なガソリン代の支出が発覚し「元公設秘書が不適切な処理を行った」と釈明した経緯がある。国会で「秘書の責任は自分の責任」と閣僚を追及した直後の不祥事で、就任後は改めて説明責任が問われることになる。

 前原陣営の選対本部長を務めた大島敦氏(60)は代表代行に就く。前原氏は代表選勝利後、大島氏と都内のホテルに籠もり執行部の人選を進めてきた。大島氏の幹事長起用も検討したが、知名度の高い山尾氏に白羽の矢を立て、大島氏を後見人とした方が得策と判断したとみられる。

 枝野陣営からは、枝野、長妻両氏に加え、辻元清美元国土交通副大臣(57)が役員室長に入る。長妻氏は次期衆院選で共産党との候補者調整を積極的に進めるよう求めており、民共共闘路線の修正を求める前原氏と足並みがそろうかも焦点になる。

 共同通信社が2、3両日に実施した全国電話世論調査では、前原新代表に「期待しない」が51・2%で、「期待する」の40・3%を上回った。前任の蓮舫氏に対しては就任直後の昨年9月調査で56・9%が期待を示しており、前原氏にとっては厳しい船出といえる。

 

 

 

女性しか伝えられない声を 政治の世界に飛び込んだ思い(2017年3月8日配信『朝日新聞』)

 

 地方自治体の首長や国会議員として活動する女性政治家たちがいる。彼女たちは何を目指して政治の世界に飛び込んだのか。

■民進党前政調会長・山尾志桜里(しおり)さん

 2009年に初当選した頃、女性としてのハンディをほとんど感じませんでしたが、11年に子どもが生まれ、翌年の衆院選で初めて「ハードだな」と感じました。世襲ではない普通の女性として、母親として、議員を続ける姿を示さなきゃと思っていましたが、落選しました。悔しかった。

 「普通の女性の声を誰が届けるのよ」っていう思いがあったから、14年に国会に戻った時、強く自分の任務を自覚しました。不妊治療の女性の声、がんの治療で髪を失っても働く女性の声。世の中は女性にしか伝えられない声であふれている。そのことに自覚的になり、議員としての受け止め方が変わった。

 「保育園落ちた」ブログを国会で最初に安倍晋三首相に質問した後、首相を核心に引っ張り込むことができなかった自分の質問力に不満でした。

 でも、社会の反応は違った。首相の冷淡な物言いが女性の怒りに火をつけ、化学反応が起きた。野党でも本当に現実味のある声とつながれば、社会や政治に影響を与えることができるんだという実感を得ました。

 なぜ政治が待機児童問題に向き合わなかったかといえば、政治家と子育て世代が、お互いに無関心だと思い込んでいるからではないでしょうか。そこに一石を投じることができたとは思いますが、まだまだ様々な受け皿から「落ちた」人たちがいます。だからこそ、例えば男女の候補者数の均等を求める法案には意義があります。

 どぶ板選挙のような量の勝負ではなく、政策の勝負に変われば、ようやく女性が当選しやすい社会になると思います。選挙制度の転換も必要でしょう。

 男性の方がロマンだとか「べき論」にとらわれている気がします。今ほど政治の世界に女性が求められている時代はないと思いますね。

     ◇

 1974年生まれ。民進党前政調会長。検事をへて、2009年衆院選で愛知7区から初当選。現在2期目。家族は夫と長男。

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